2022年4月29日金曜日

2022年4月報

1.4月授業内容
2.4月の課題
3.3月の解答
4.今後の授業スケジュール
5.お知らせ


1. 4月授業内容


1.0 <スタートアップ(全コース)>


 割愛します。


1.1 <プライマリーコース『ロビット』>


 割愛します。

1.2 <ベーシックコース『ロボート』>


 ロボ・ボートの略(りゃく)ですね。ネーミングもさることながら、オールをこぐ動きもナイスです。


 この動きは、棒の中央付近(支点)をあまり動かないように固定し、一端(力点)をこぐように回すと、他端(作用点)も同様に回る性質を利用しています。

ただし、支点の位置によって、作用点の動きを大きく(速く)したり、代わりに働く力を大きくしたり、自在に調整できます。


大事なことは、速さ両方を増やすことはできずどちらか欲しい方を好きなだけ増やせる(*1)ということです。
これを『てこの原理』といいます。

 支点が真ん中にあれば力も速さも変わらず、力点と作用点が対等に“闘う”ことができます(*2)。
天びんや公園のシーソーは、力点と作用点(区別しない)に同じくらいの重さの物や人をのせて、バランスを取るものです。

重さの異なるもの同士なら、重い方が支点の近くに寄(よ)ることでバランスが取れます。
シーソーでは、大人が中央寄りに座りますよね。

 支点が作用点の方に近ければ力点を大きく動かさないといけない代わりに、力点に加えた力よりも大きな力が作用点に働きます
『てこの原理』と言えば、通常はこちらの利用方法を指し、ペンチや枝切りばさみ、缶切り、せん抜きなど、固いものを切ったり動かしたりする道具に利用されています。

 逆に、支点が力点の方に近ければ力点に大きな力が必要になる(重く感じるようになる)代わりに、作用点を大きく(速く)動かすことができます
ボートをこぐオールはこちらの利用方法で、結構大きな力が要(い)る代わりに、一こぎですーっと進むことができます。

『ロボート』でも同じです。オール(シャフト)の先を延長して速く進ませることもできますが、あまり欲張(よくば)っても、モーターの負担(ふたん)が増えるので逆効果でした。

オール(シャフト)の根元は、輪ゴムでクランク(*3)の先と結び、人間の手のように柔(やわ)らかく“水面”をこぐ設計もうまいです。

 2日目の最後に、ボートレースでスピードを競いました。
一見どれも同じような動きに見えて、いざ地面(水面?)に放(はな)つと、速さには3~4倍以上の開きがありました。

下記の点に注意したロボートが速かったようです。

●手で押した勢い(惰性=だせい)でもスムーズに進むこと
(前後のタイヤSを手で回して、ブレーキがかかったように固くないこと)

●しっかりした輪ゴムでオールを留(と)める
(伸びきった輪ゴムでは何回転もねじれて先端のタイヤSに力が入らない)

●オールを長くしすぎたり、長いオールの先端をタイヤLに替(か)えたりしない
(てこの原理により、モーターが力負けして速く回せない)(*4)

●テキストp.21~22の通り、ギアM(うす)をピニオンギア(うす)に替えて、あまり遅(おそ)くしない(元より3倍速く動かす)(*5)


*1 例えば、力を倍に増やして得をすれば、速さが半分に減って損をします。世の中、うまくできていますね。

*2 物体が静止している時、重力が働いている地球上では必ず、何か2つ以上の力が対立しながらバランスを取っています。

*3 実際に使用している部品は『クランク』ではなく『クロスジョイント』ですが、クランクと同じ作用を働かせています。

*4 オールが短ければ、タイヤLの方が重くてすべりにくく、しっかり漕(こ)げることで少し速くなる場合もあります。

*5 最後のピニオンギアうすをずらしてベベルギアと噛(か)み合わせるだけで、さらに3倍速く回すことができます。回転力は弱くなるので、オールを短めにします。


 ≪『ロボート』お詫び≫
  オールでのボート漕ぎに働く「てこの原理」について、テキストp.25や巷では全て、栓抜きと同じ「第2種てこ」とされていますが、誤りです。
 (2年前から抗議してますが理解されません)
  オールでのボート漕ぎは、シーソーと同じ「第1種てこ」と考えるのが正しいです。ボートを進ませるのは、水面(作用点)からボート(支点)に返ってくる反力です。

         | ボート | ←→ 水面
  × 第2種てこ【力点 ― 作用点 ― 支点】
  ○ 第1種てこ【力点 ― 支点 ― 作用点】


1.3 <ミドルコース『あがってゴーゴー号』>


 ジェットコースターです。
必要な動力は、コースター(乗り物)を頂上まで持ち上げることのみです。あとは“下り”だけですね。

 コースターを引き上げる方式として、主流なのは、地上と頂上の間を周回する長いチェーンにコースター下部のツメを引っ掛ける方式ですが、
過激なものは、圧縮空気やリニアモーターで平地から一気に加速させ、惰性(だせい)で昇らせてしまいます。(乗ってみたい…)

今回は、コースター下部のラックギアが、一列に並んで回転するギアMの上部と噛み合い、昇っていきます。
一連のギアMをチェーンと見立てれば、主流の方式に似ていますね。

 1日目は、傾斜したレール上を頂上まで昇らせるところまでです。
重要ポイントは、
1) ラックギアと噛み合うギアMはすべて、
2) 同じ速さで、
3) 同じ方向に、
回転させることです。

なぜ、直径の異なるギアMピニオンギアを交互(こうご)に噛み合わせているのか?
だって、隣(とな)り合うギア同士は逆回転する宿命にありますからね。
逆回転するピニオンギアとラックギアを接触させるわけにはいきません。

 2日目は、下りのレールを付け足しました。
乗り物としては、これこそが醍醐味(だいごみ)ですものね!
小さい部品を駆使して、頂上部を滑(なめ)らかに形成します。

 下りながらスピードが増すのは、物理学的に言えば、頂上で満タンになった位置エネルギー(高さ)が、下るにつれて運動エネルギー(速さ)に変わっていくからです。

最下点では位置エネルギーが最小、運動エネルギーが最大です。
その後、机の上をしばらく滑走し、摩擦で机とコースターを僅(わず)かに暖めながら止まります。

位置エネルギー ⇒ 運動エネルギー ⇒ 熱エネルギー へと変換されました。

 実際のコースターでは、何度か上昇と下降を繰り返す中で、位置エネルギーと運動エネルギーの交換が起こりますが、その和は(摩擦損失を無視すれば)常に一定であるというのが、中学3年理科で習う『エネルギー保存則』です。

振り子やブランコが高さと速さを交換しながら運動を続けるのも同じ原理です。

 授業の最後に、コースターに人形パーツを乗せて無事に下ることができるか、安全性を至上命令に、スリリングなコースを建設してもらいました。
地上(机上)の高さ以下、奈落の底へと続く下りレールを延長した改造例もありましたが、果たして乗員の運命や如何に。


1.4 <アドバンスコース『コピーロボット①』>


 《下記を参照下さい》
  http://robocobo.sakura.ne.jp/blog/robot/adv1-1804.pdf




1.5 <プロ1年目コース『オムニホイールロボット①』>


 春タームとして、オムニホイール(Omnidirectional Wheel;全方向車輪)ロボットを製作し、リモコン操縦するまでの1ヶ月目の授業です。

 1日目は製作です。
2層の円形ボードにモーター、オムニホイール、マイコンボード、無線モジュール、電池ボックスを組み付け、配線コネクタを差し込んでいきます。
殆どの作業がネジ留めですが、組み付ける順番の解決と、手先の器用さが要求されます。
日常において、あまり経験しない作業なので、悩みながらもパズルのようで楽しかったのではないでしょうか。

パソコンからサンプルプログラムを転送し、3つのホイールを指示通りの速さ・向きに回せることを確認して終了しました。

 2日目に、ゲームパッド(プレステ3用と同等!)と無線通信リンクを確立し、パソコンからラジコンプログラムを転送すると、アナログスティック(*1)を倒した分だけの速さで前後左右に移動することを確認しました。

また、調整用プログラムを転送してロボットの動きを観察し、個体差(重心やホイールの摩擦力の違い)による進行方向のズレを補正するための調整値(*2)を割り出しましたが、これは今回の学習テーマの本質ではありませんので、あまり気にしなくて良いです。

 どのスティックをどれだけ倒したか、どのボタンを押したかにより、ロボット(3つのモーター)をどの向き(電流の+-)にどれくらいの速さ(電圧)で動かすかは、全てあなた(プログラム)が決めることです。
マイコンは、得意な計算・判断だけを、あなたに代わってあなたが決めたルール通りに素早く実行し、各部品に必要な命令(数値による指示)を間違いなく出してくれる便利な道具と考えてください。

 オムニホイールの特徴は、黒い樽型ローラーの作用により、普通のタイヤとしての進行方向(回転方向)とは垂直の横方向(ホイールの回転軸方向)にズルズルっと滑ることです。
このホイールが120°間隔で3つ装着されることにより、自由自在に移動・旋回できそうなことは分かりましたが、これを力学的・数学的にどのように捉え、プログラム上の数値にどのように反映すべきかについては、次回で学びます。


*1 アナログ(連続量)はデジタル(離散量)の対義語ですが、アナログスティックは、倒した向き・強さを -128 ~ 127 など、マイコンが扱いやすい整数(とびとびの値=離散量)に変換しているため、厳密にはデジタル式なのですが、ON/OFF判定だけの○×△□ボタンと違って、最小値~最大値を十分細かく刻んで表しているため、人間には滑らかな連続量で制御しているように感じられます。

*2 プログラム上の調整値“0.9f”などは、数学でいう実数(連続量)に相当し、細かな小数で計算するための拡張された表現方法ですが、これもマイコン内部で扱う以上、厳密にはデジタル値(離散量)です。


1.6 <プロ2年目コース『不思議アイテムII①』>


 2年目コース春の3ヶ月タームに入りました。外付けの電子回路をプログラミングで操ります。

 これまでも、マイコン(頭脳)の外側にある、モーターやLED表示器などの出力デバイス(手足)、タッチセンサーなどの入力デバイス(感覚)をプログラム制御してきました。

しかし、それらは、単体で所望の入出力デバイスとして機能する完結品で、ハードウェア的作業としては“つなぐだけ”でした。
ここで、もっと、自ら回路を設計し、動かすためのロボット実装スキルを学び始めましょう。

 1日目は、電子工作において最も基本的な部品である、LED抵抗を使っての点灯実験です。
回路の土台としては、実験やプロトタイピング(試作)に便利なブレッドボードを用います(*1)。

LED(Light Emitting Diode,発光ダイオード)も、点けるだけなら豆電球同様、マイコンは要りませんね。
しかし、小学校理科に登場しない、下記の知識が必要です。
LED電極には極性(+/-)がある
過大電流で切れやすいので、保護抵抗を入れる(*2)
保護抵抗値を大きくするほど電流が絞られ、暗くなる

マイコンなら、点滅を制御できますね。
8番ピンに繋いだLEDを1秒間だけ点灯するなら、下記のようなプログラムになります。

pinMode(8, OUTPUT);    //8番ピン出力モード設定
digitalWrite(8, HIGH); //8番ピンON
delay(1000);          //そのまま1000ms放置
digitalWrite(8, LOW);  //8番ピンOFF

たったこれだけで!
お、面白い…。マイコンには“手足”をたくさん繋げられます。
LED本数を増やして、流れるイルミネーションに挑戦です。

 しかし、LED本数に比例して、プログラム行数が増えていきます(*3)。
LED3本0.5秒毎に順次点灯・消灯させるだけで、下記になります。

pinMode(6, OUTPUT);    //6番ピン出力モード設定
pinMode(7, OUTPUT);    //7番ピン出力モード設定
pinMode(8, OUTPUT);    //8番ピン出力モード設定
digitalWrite(6, HIGH); //6番ピンON
delay(500);            //そのまま500ms放置
digitalWrite(7, HIGH); //7番ピンON
delay(500);            //そのまま500ms放置
digitalWrite(8, HIGH); //8番ピンON
delay(500);            //そのまま500ms放置
digitalWrite(6, LOW);  //6番ピンOFF
delay(500);            //そのまま500ms放置
digitalWrite(7, LOW);  //7番ピンOFF
delay(500);            //そのまま500ms放置
digitalWrite(8, LOW);  //8番ピンOFF

8~10本ともなると、とんでもない量になりました。
点灯パターンを作るのも変更するのも大変な労力です(*4)。
こんなやり方で、キャラクタが跳び回るゲームなぞ作れる訳がないですね。

for文を使って書き直します。

int n;  //整数型変数n宣言
for(n=6; n<=8; n++) {    //n=6, 7, 8
  pinMode(n, OUTPUT);    //n番ピン出力モード設定
  digitalWrite(n, HIGH); //n番ピンON
  delay(500);            //そのまま500ms放置
}
for(n=6; n<=8; n++) {    //n=6, 7, 8
  digitalWrite(n, LOW);  //n番ピンOFF
  delay(500);            //そのまま500ms放置
}

このプログラム行数は、LEDが3本でも10本でも変わりません。“繰返しパワー”ですね!

 さて、時間制御プログラムを走らせて眺めているだけでは飽きますので、もっとインタラクティブ(interactive,人間の操作が関わる)な電子回路にしましょう。
ゲーム機に近づきます。

タクトスイッチ(押しボタン)を押している間だけLED点灯させます。
“フツー”のスイッチですね。マイコン要らず、簡単です。
回路の実装も動作も予想の範囲内で、感動もありません。

 では、同じスイッチを使って、押すとLEDが消える回路を作れるでしょうか。
動作が逆なだけなのに、難しいですね。途端に電気回路の知識が必要になります(*5)。

しかし、「私がスイッチを押したら消して」と誰かに申し付ける方法もあります。
if文を使って、マイコンにやらせましょう。

pinMode(5, INPUT);      //5番ピン入力モード設定
pinMode(8, OUTPUT);      //8番ピン出力モード設定
if( digitalRead(5) == HIGH ) {  //もし5番ピンに入力(スイッチ押下)あれば
  digitalWrite(8, LOW);  //8番ピンOFF(LED消灯)
} else {  //さもなければ
  digitalWrite(8, HIGH); //8番ピンON(LED点灯)
}

これは凄いフリーダムです。自分専属の執事を従えたようなものです。
繰返し命令時間命令を組み合わせれば、押している間だけ消すのも、1回押せば永遠に滅すのも、暫くして復帰するのも、フラッシュ明滅するのも、5分であらゆるスイッチに変身できます。
スイッチ1個でLED3本を同期させるも、時間差でアニメーションさせるも、スイッチ3個で暗号キーを照合させるも、“神”となった君の手中です。

 緑色LED3本の代わりに、フルカラーLEDR,G,B端子を差せば、“光の3原色”の組合せで、2×2×2=8色(デジタルRGB)表現できます。
digitalWrite(8, HIGH) に代わり、analogWrite(8, 128) と書けば、8番ピンの色を50%(128/255)に落とすなど、256×256×256=1677万色(アナログRGB)表現が可能になります(*6)。

 光に飽きたら、です。
tone(A5, 440, 2000) と書き直し、A5ピンにスピーカを繋げば、440Hzの“”が2秒間鳴ります。タクトスイッチは、もう、電子ピアノの鍵盤なのです。

まさに全能です。マイコンなしで電子回路の機能を変更するのは、大変な手間なんですよ。

*1 電子部品の抜き差しが自由で、はんだを使わず、差し込むだけで部品同士を接続できるため。

*2 順(電流が流れる)方向に電圧を上げていくと急激に流れ始めるダイオードの一般的な性質により、焼損しないよう、電源と直列に100~1kΩを入れます。

*3 いや、可能な点灯パターンは爆発的に増えます。「指数関数的に増大する」と表現します。

*4 「コピペのプロになる!」なんて、末恐ろしいことを言わないように…。

*5 かように、マイコンを使わず、要素的な電子部品(受動素子)だけで機能(受動回路)を設計する方が、高度な知識や経験を必要とする面もあります。
「江戸時代のからくり人形より、現代のロボットの方が簡単」とも言えます。

*6 パソコンやテレビと同じ“フルカラー”と称される色数ですが、あくまで机上の計算値であり、電圧に対するLED輝度の非線形領域の使用により、そこまでの再現性はありません。
 また、デジタル回路の塊であるマイコンには、真のアナログ信号は扱えないので、PWM制御(1年目1月)により擬似的にアナログ電圧(各ピン256階調)を生成しています。


1.7 <プロ3年目コース『不思議アイテムIII-1①』>


 春タームは、赤外線で遊びます。

 赤外線(Infrared Ray, IR)とは何でしょうか。
(人間の)目に見えない光の一つ(波長領域)であって、「目に見える可視光線の中で波長が最も長い赤色光よりもさらに長いために見えない、限られた波長領域の(赤から少し外れた)光」と言えます。

可視光線の波長が約400nm~800nmの範囲であるのに対し、赤外線は800nm~1,000,000nm(1mm)と長く広範囲の波長領域を指し(*1)、波長が長くなるにつれ、近赤外線・中赤外線・遠赤外線と分類されます。

このうち、赤色の可視光線に近い特性をもつ近赤外線は、家電のリモコンや赤外線カメラ、携帯電話間の赤外線通信(もう時代遅れ?)に使われています(*2)。

 さて、市場には、あらゆるリモコンの信号を読み取り、“真似”できるという「学習リモコン」なるものが存在しますね。
佐藤が初めて目にした時は、リモコンの通信方式も知らずに、凄いモノが作れるもんだと感嘆しましたが、
下記の条件のお陰で、Arduino環境でもライブラリが揃っているように、(マイコンがあれば)比較的容易に作成できます。

1) 波長950nm近傍の近赤外線を使う
2) 周波数38kHz前後の明滅パルスを搬送波として使う(*3)
3) 単位時間500μs前後のパルス位置変調(Pulse Position Modulation, PPM)方式で符号化(0/1表現)する
4) 一方的に送り付ける用途(双方向通信ではなく、届いたかどうかは無関心)
5) 主に使用されている送信フォーマットは数種類しかない

1)~3)の共通性によって、単位符号(0/1)が読み取れますので、5)のフォーマットが何でも、プログラム次第で解釈できます。

事実、携帯電話やプリンタ間の写真転送などで使われる双方向のIrDA通信規格とは異なり、赤外線リモコンの通信プロトコル(データフォーマット)には明確な標準規格が無く、各社各様です。

但し、主に使用されているのは下記3方式のようで、SONYフォーマットを除き、1フレーム(1回の送信データ列)当たり、カスタム(メーカー識別)コード16bitデータ(コマンド)コード16bit32bit前後で構成され、約100ms毎に(ボタンが押されている間)繰り返し送信するという類似性があります。

・NECフォーマット     … 主にSONY製以外のAV機器
・家製協(AEHA)フォーマット … 主に一般(白物)家電
・SONYフォーマット     … SONY製品のみ

 このような背景により、マイコンに赤外線LED赤外線受光素子を繋ぐだけで、家電リモコンの信号をプログラム[IRrecvDump]で“傍受”し、プログラム[IRJackEx]で“真似”したり、別のコマンドデータに置き換えて“電波ジャック”したりできるようになります。

実際、扇風機や照明器具等の一般家電では、ブレッドボード上に組んだタクトスイッチをリモコンのボタン代わりにして操作することができました。

複数コードのシーケンス(序列)を認識して作動する家電や、テレビ等の高機能AV機器では(?)成功率が低かったようです。
ライブラリが対応していないだけで、プロトコルや適正タイミングさえ明確に分かれば、Arduinoで再現できるかもしれません。

 また、リモコンのボタン毎の信号を区別できるということは、専用品を作らなくても、付属の汎用リモコンや適当な家電リモコンで、オムニホイール操縦プログラム[IRrobot]のようにロボットを制御(前進・後退・旋回コマンド等)できるということです。

あるいは、プログラム[IRText]のように、文字コードをデータコードに埋め込んで送信し、受信側で取り出して8×8マトリクスLEDに表示することにより、メッセージ伝送もできました。

文字コードを暗号化して、第三者に傍受されても解読不能にすることもできますよ!

 赤外線通信を使って、他にどんなアプリケーション(応用)が考えられるのか、次月も探求して参りましょう。


【出展・参考文献】
▶赤外線リモコンの通信フォーマット
 http://elm-chan.org/docs/ir_format.html
▶赤外線リモコンのフォーマット
 http://www.asahi-net.or.jp/~gt3n-tnk/IR_TX1.html
▶リモコン(ウィキペディア)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%A2%E3%82%B3%E3%83%B3


*1 広範囲と言っても、0.01nm以下から100,000,000,000,000nm(百km)以上の波長まで連続的に存在する電磁波のうちでは、ごく狭い帯域の(不可視)光線に過ぎません。

*2 光のように真っ直ぐしか飛ばず、電波のようには拡がりませんので、一所懸命リモコンをテレビへ向けなければなりませんね。
 電波式リモコン(SONYおき楽リモコン等)の使い勝手を知ると戻れませんが、赤外線式の方が低コストなのです。

*3 この搬送波1パルスの有無がデータ符号1bit(0/1)を表すわけではありません。
 赤外線の物理的な放射タイミングがこの周期(1/38kHz≒26μs)毎に発生し、実際の放射パルス(の複数個の連続)の有無(の組合せ)によって、1bit(0/1)を表します。
 つまり、赤外線を(物理的な意味で)放射している期間は38kHzで点滅しおり、搬送波を使わず連続点灯させる場合よりも少ない電力で高いピーク輝度を出力できます。
 また、一般に、信号を搬送波に乗せる(搬送波を信号で変調する)方式では、特定の周波数成分だけを拾うフィルタ回路を経由して受信(またはプログラムで信号処理)することにより、混線回避やノイズに強い通信ができるようになります。


2. 4月の課題


 <スタートアップ(全コース)>
  特にありません

 <プライマリーコース>
  - オリジナル図形プリント
  http://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotP2204-Q.pdf

 <ベーシックコース>
  - 上記授業内容を精読する(概ね3年生以上/低学年は補助の下で)
  - オリジナル課題プリント(3面図+設問)
  http://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotB2204-Q.pdf

 <ミドルコース>
  - 上記授業内容を精読する
  - オリジナル課題プリント(3面図+設問)
  http://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotM2204-Q.pdf

 <アドバンスコース>
  - 上記授業内容を精読する
  - オリジナル課題プリント(見取図+設問)
  http://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotA2204-Q.pdf (来月まで分)

 <プロ1年目コース>
  - 上記授業内容を精読する(該当テキストページを見ながら)

 <プロ2年目コース>
  - 上記授業内容を精読する(該当テキストページを見ながら)
  - タクトSW7個で“ドレミファソラシ”7音の電子ピアノ[ElectroPiano1改](第2回テキストp.20~21)を完成させる

  《ハイレベル挑戦》タクトSW4~7個で8音以上の電子ピアノを設計・実装する
  【ヒント】片手5本の指を使った2進法でいくつまで数えられたかな?
       必ずしも2進法に則る必要はない


  - 音のみで出題し、対応するSW4~7個(鍵盤)で回答チェックする『音当てゲーム機』に改造する

  《ハイレベル挑戦》LEDも光らせ、直ぐに対応するSWを押さないと終了する『モグラ叩きゲーム機』を製作する
  【ヒント】random(5, 12) で 5~11の乱数を出せる
       7ピンを共用(入出力切替)すればLED7個+SW7個も可能であるが、回路とプログラミングが難しいので、LED出力4ピン+SW入力4ピンで考える


 <プロ3年目コース>
  - 上記授業内容を精読する(該当テキストページを見ながら)


3. 3月の解答


 <プライマリーコース>
  http://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotP2203-A.pdf
 <ベーシックコース>
  http://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotB2203-A.pdf
 <ミドルコース>
  http://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotM2203-A.pdf
 <アドバンスコース>
  http://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotA2202-A.pdf


4. 今後の授業スケジュール


◆日曜日の教室(東福間プロ・小倉北・南)5月は一週ずつ遅れます。
◆全教室8月第1回目を一週ずつ前シフト(盆休み)します。

――――――――――【佐藤教室長】――――――――――

[東福間]第1・3土原則<学習ルームでこぼこ>
   - 13:30~ ベーシック/プライマリ
   - 15:30~ ミドル
   - 17:30~ アドバンス

 ⇒ 5/7, 21,  6/4, 18,  7/2, 16,  7/30※, 8/20

 ※8/6→7/30シフトします

[東福間プロ]第2・4日原則<学習ルームでこぼこ>
   - 10:00~ プロ1年目
   - 13:00~ プロ2年目
   - 16:00~ プロ3年目

 ⇒ 5/15※, 29※,  6/12, 26,  7/10, 24,  8/7※, 28

 ※5月は一週ずつ遅れます
 ※8/14→8/7シフトします

[中間]第2・4土原則<なかまハーモニーホール>
   - 13:30~ ベーシック/プライマリ
   - 15:30~ ミドル
   - 17:30~ アドバンス/プロ1・2年目

 ⇒5/14 第1回 3F会議室2
  5/28 第2回 3F会議室4(和室)
  6/11, 25,  7/9, 23,  8/6※, 27

 ※8/13→8/6シフトします

[小倉北]第1・3日原則<ムーブ>
   - 10:30~ ベーシック/プライマリ
   - 13:00~ ミドル/プロ1年目
   - 14:00~ プロ2年目
   - 15:00~ アドバンス

 ⇒5/ 8※第1回 5F小セミ
  5/22※第2回 5F小セミ
  6/5, 19,  7/3, 17,  7/31※, 8/21

 ※5月は一週ずつ遅れます
 ※8/7→7/31シフトします

――――――――――【中野教室長】――――――――――

[八幡東]第1・3土原則<レインボープラザ4F>
   - 13:30~ ベーシック/プライマリ
   - 15:30~ ミドル
   - 17:30~ アドバンス

 ⇒ 5/7, 21,  6/4, 18,  7/2, 16,  7/30※, 8/20

 ※8/6→7/30シフトします

[小倉南]第2・4日原則<総合農事センター2F>
   - 10:30~ ベーシック/プライマリ
   - 13:00~ ミドル
   - 15:00~ アドバンス

 ⇒ 5/15※, 29※,  6/12, 26,  7/10, 24,  8/7※, 28

 ※5月は一週ずつ遅れます
 ※8/14→8/7シフトします


5. お知らせ

1) 第12回ロボット教室 全国大会・スペシャル地区イベントのお知らせ

 2022年は全国大会およびスペシャル地区イベントとして新しい形での開催が決定しました。
 2年ぶりに東大および全国会場での開催を予定しています。
 また、より多くの生徒さんに参加いただきたく内容もリニューアルされます。
 今回はスケジュール概要についてご案内いたします。

【開催日程】
 ◆九州地区 8/12(金) 福岡市科学館 サイエンスホール
 ◆全国大会 8/27(土) 東京大学 安田講堂(本郷キャンパス内)

【コンテスト内容】
 ◆スペシャル地区イベント
  ①アイデア発表会(全コース)
  ②改造レース(ベーシック/ミドルコース)<NEW>
  オンライン参加: 改造例投稿(全コース)<NEW>
 ◆全国大会
  ①アイデアコンテスト(全コース)
  ②テクニカルコンテスト(アドバンスコース)

【告知・申込】
 ▶ 5/9(月) 大会WEBページオープン
 ▶ 5月中旬~ 大会プログラム(コンテスト詳細)公開予定
 ▶ 6/13(月) コンテストエントリー、観覧申込受付開始予定

【過去の大会】
 https://kids.athuman.com/robo/event/


2) 5月景品交換会
 3ヶ月毎の宿題ポイント交換会を下記授業日に開催します。
 ポイントカードを忘れずに、早めに来て下さい。

 [東福間]5/21
 [八幡東]5/21
 [小倉北]5/22
 [中 間]5/28
 [小倉南]5/29


3) 3月課題 高得点者  []内は教室と学年

 ◆プライマリ【8名平均 図形4.4】
   5点…亀平[八幡東 年長], 坂本[八幡東2], 藤原[八幡東1], 山根[八幡東 年長], 日力[小倉北2]

 ◆ベーシック【23名平均 図面6.6】
  10点…眞所[小倉南2], 渡辺[小倉南4]
   9点…星野[小倉北2], 有松[小倉南2], 江藤[小倉南3], 吉永[小倉南1]
   8点…福永[東福間3], 土屋[小倉北1]

 ◆ミドル【14名平均 図面3.6+設問1.2=4.8】
  10点…なし
   9点…なし
   8点…柴田(直)[小倉北4]
   7点…藤津[中間5], 柴田(大)[小倉北4]
   6点…なし

 ◆アドバンス【4名平均 図面9.8+設問4.8=14.5】
  17点…林田[小倉南4]
  16点…中村(晟)[小倉北6]


東福間・中間・小倉北教室 佐藤 / 八幡東・小倉南教室 中野