2015年4月30日木曜日

4月授業内容

1. 4月授業内容
2. 今月の課題
3. [東福間]5月授業スケジュール
4. [小倉北]5月授業スケジュール
5.  ひと言

1. 4月授業内容


<ベーシックコース『ぐるぐる進む君』>

(初月スタートアップ講座の内容は割愛します)
 二足歩行ロボットです。左右の足が交互に前後するのだから、歩くのは当たり前?

よく考えてみます。人間やアシモのように、片足を上げながら歩くほど高度ではありませんから、
地面についたまま前後に往復する足に前も後ろもなく、その場で摺り足をするだけでうまく進みません。
本来、1日目のロボットがこの形態であり、ここまでで2日目を終わった人もいましたが、あまりスマートな歩みではなかったでしょう。
しかし、人間は、ぶかぶかのスリッパを履いたときでも、摺り足をしながら前に進むことができます。
同じ摺り足の動きで後退することもできます。無意識に何かを切り替えています。
そうです、重心ですね。2日目で、ちょうちんアンコウの如く頭から生えた角(?)がその重心移動メカニズムです。

もちろん、付ければいいってものではありません。
角の先に付けたタイヤ(カウンターウェイト=重り)に揺り回されるわけですから、足の動きとの同調(位相)を考えないと、逆にバランスを崩してすぐに転んでしまいます。
しかし、この位相は30°単位で調整できますから、後ろに下がる方の足に重心を傾け、前へ出る方の足を浮かせ気味にすれば、見違えるようにスタスタと歩くことができるように変身しますよ!

もっともっと速く歩かせるために、電圧アップ(電池4→6本)したり、脚を長くして歩幅を大きく取ったりしてみましょう。
すると、安定感がなくなり、上体がヨタヨタに振れるところを、カウンターウェイト(重いほど、角を長くするほど効く)で相殺。
さらに、足裏を広げて転びにくくします。
二足歩行ロボットというのは、なかなか奥深いテーマなのですよ。

 


<ミドルコース『シャクロボ』>

 見た目は3輪バイクのようですが、尺取り虫(シャクトリムシ)をモチーフにしたロボットです。
1日目では、前輪の付いたロッドを前後に往復させています。
この動きは、クランクというリンク機構を用いて、モーターの回転運動を往復運動に換えて実現しています。
しかし、ロッドの往復に合わせて、前輪は前後に転がるだけであり、推進力とはなりません。
ところが、ただ1点の部品(ペグS)を装着するだけで、見違えるように前進するように変わります。
ラチェットという機構で、一方向への回転のみを許し、反対方向へは回らない仕掛けです。

皆さんの身近なところでは、自転車のペダル(正確にはチェーンで駆動される後輪のハブ内)に使われており、前方向にはしっかり噛み合って回転を伝えますが、逆方向にはチッチッチと音を立てて空回りする仕組みにより、ペダルを休めても車輪は回り続けることができます。

このラチェット機構を実現するために、前輪に重ねたギアMの歯にペグSの角を当てました。
すると、ロッドの往復に合わせて、前輪と後輪が交互に前へ転がることを繰り返し、本体が前進するようになりました。
まるで、尺取り虫が胴体を曲げたり伸ばしたりして進む様子です。
後輪が前へ転がるのは、ロッドが後ろへ戻る際に前輪が逆回転しないようロックされ、本体(と一体化した後輪)が前輪に引っ張られるようになったためです。
前輪が前へ転がる際は、本体(および後輪)は止まったままか、むしろ反動で少し後退します。

2日目に、後輪にも同様に往復するロッドとラチェットを組み付けました。
これで、後輪の後退も防げるようになり、推進効率が上がりそうです。
前輪と後輪のロッドが往復するタイミング(のズレ)は自由に変更できますが、
一番スムーズに前進するタイミングはどのようなものでしたか?
力学的には、やはり、ロボットを横から見て、
前後のロッドがハの字形に開いたり閉じたりするようなタイミングが良いでしょう。
より尺取り虫っぽく見えますね!

 


<アドバンスコース『ステップチャレンジャー』>

 2ヶ月目の授業です。
2日目に製作した、4輪駆動の台車の“上”のエレベーターに4本脚を取り付け、
一旦上昇させたエレベーターを下降させることで4脚を直立させ、台車を浮き上がらせるアイデアです。

4本脚で立ったロボットは、
1) 安定した姿勢で立ち、特に、横や後方へ倒れないこと
2) 前脚を後方へ蹴り、前方へ倒れる初動(動作の契機)を遠隔操作で与えること
3) 4脚が前方へ倒れることで、台車を前方の段差の上面へ水平に落とし込むこと
が実現されています。

各機構がどのように実装されているかについては十分承知のことと思いますが、
それぞれが高度で、特に重要な意味をもつ仕組みと考えるのではなく、
ただの4輪車では乗り越えられない段差を克服するためのロボットとして、
アイデアを寄せ集めた一例に過ぎないと捉えてください。

どんな複雑な機械も、論理も、プログラムも、1つ1つは単純な構成要素を組み合わせて成立しています。
但し、目的の機能を達成するために、個々の要素アイデアに分解して統合し、実現するプロセスこそが高度なのであり、人間の尊い知的営みなのですから、毎回、何か一つでもオリジナルアイデアで代替し、改良し、同等以上の機能を実現してみましょう。
それらの試行が集積して君の本当の力となりますから、難しくても、遅れても、先ずはテキストに紹介された機能を再現してみましょう。
ロボット教室なのですから、苦しくは、ないでしょ?

 


<ロボプロコース『オムニホイールロボット(1)』>

 オムニホイール(Omnidirectional Wheel;全方向車輪)ロボットを製作し、リモコン操縦するまでの1ヶ月目の授業です。
1日目は製作です。
2層の円形ボードにモーター、オムニホイール、マイコンボード、無線モジュール、電池ボックスを組み付け、配線コネクタを差し込んでいきます。
殆どの作業がネジ留めですが、組み付ける順番の解決と、手先の器用さが要求されます。
日常において、めったに経験できない作業なので、悩みながらもパズルのようで楽しかったのではないでしょうか。
パソコンからサンプルプログラムを転送し、3つのホイールを指示通りの速さ・向きに回せることを確認して終了しました。

2日目に、ゲームパッド(プレステ用と同等!)と無線通信リンクを確立し、パソコンからラジコンプログラムを転送すると、アナログスティック(*1)を倒した分だけの速さで前後左右に移動したり、その場でぐるぐる旋回したりすることを確認しました。
また、調整用プログラムを転送してロボットの動きを観察し、個体差(重心やホイールの摩擦力の違い)による進行方向のズレを補正するための調整値(*2)を割り出しましたが、これは今回の学習テーマの本質ではありませんので、あまり気にしなくて良いです。
どのスティックをどれだけ倒したか、どのボタンを押したかにより、ロボット(3つのモーター)をどの向き(電流の+-)にどれくらいの速さ(電圧)で動かすかは、全てプログラム(あなた)が決めることです。

マイコンは、得意な計算・判断だけを、あなたに代わってあなたが決めたルール通りに素早く実行し、各部品に必要な命令(数値による指示)を間違いなく出してくれる便利な道具と考えてください。
オムニホイールの特徴は、黒い樽型ローラーの作用により、普通のタイヤとしての進行方向(回転方向)とは垂直の横方向(ホイールの回転軸方向)にズルズルっと滑ることです。

このホイールが120°間隔で3つ装着されることにより自由自在に移動・旋回できそうなことは分かりましたが、これを力学的・数学的にどのように捉え、プログラム上の数値にどのように反映すべきかについては、次回で学びます。

*1 アナログ(連続量)はデジタル(離散量)の対義語ですが、アナログスティックは、倒した向き・強さを -128 ~ 127 など、マイコンが扱いやすい整数(とびとびの値=離散量)に変換しているため、厳密にはデジタル式なのですが、ON/OFF判定だけの○×△□ボタンと違って、最小値~最大値を十分細かく刻んで表しているため、人間には滑らかな連続量で制御しているように感じられます。
*2 調整値“0.9f”などは、数学でいう実数(連続量)に相当し、細かな小数を計算するための拡張された表現方法ですが、これもマイコン内部で扱う以上、厳密にはデジタル値(離散量)です。


2. 今月の課題

 次回授業日までに完了してください。
 ◎は必須、〇は推奨、△は任意です。〇△は能力に応じ、個別に指示しています。

<ベーシックコース>
  ◎ テキストp.14の空間図形問題にチャレンジ(1日目)
  〇 専用方眼紙にロボットの4面図をスケッチ(1日目)
  〇 テキスト最終ページにロボットの見取図をスケッチ
   (難しければ、写真撮影したものか、テキスト表紙を模写してもよい)
  ◎ 上記授業内容を印刷する等して音読する

 <ミドルコース>
  ◎ 専用方眼紙にロボットの4面図をスケッチ(1日目)
  〇テキスト最終ページにロボットの見取図をスケッチ
   (難しければ、写真撮影したものか、テキスト表紙を模写してもよい)
  ◎ 上記授業内容を印刷する等して音読する

 <アドバンスコース>
  ◎ 上記授業内容を印刷する等して音読する

 <ロボプロコース>
  ◎ テキストp.16以降を読み、サンプルプログラムRemote1の概要を理解する
  ◎ 上記授業内容を印刷する等して音読する


3. [東福間]5月授業スケジュール

 ・5/ 9  9:00~ 理科実験・初級 第1回
 ・5/ 9 10:30~ ロボ・ミドル  第1回
 ・5/ 9 13:30~ ロボ・ベーシック第1回
 ・5/ 9 18:30~ ロボ・アドバンス第1回

 ・5/ 9 15:30~ ロボ・プロ   第1回
 ・5/17 10:00~ ロボ・プロ   第2回

 ・5/30  9:00~ 理科実験・初級 第2回
 ・5/30 10:30~ ロボ・ミドル  第2回
 ・5/30 13:30~ ロボ・ベーシック第2回
 ・5/30 18:30~ ロボ・アドバンス第2回

4. [小倉北]5月授業スケジュール

 ・5/10 10:00~ ロボ・ベーシック第1回

 ※5/24 10:00~ ロボ・ベーシック第2回
 ※5/31 10:00~ ロボ・ベーシック第2回

 ※いずれか一方に出席

5.  ひと言

 GWは如何お過ごしでしたか? 宗像市在住で、実家が大分県別府市の佐藤は、いつも通り、行橋~宇佐を経由した一般道メインで帰省したのですが、道中やたらと「東九州自動車道」の案内標識が目立ちます。
GoogleマップやAppleマップにも載っていませんし、開通はまだ先のことと思っていたのですが、ほんの一部区間を除いて北九州~大分が3月にほぼ開通していることを初めて知りました。
いち早く掲載したYahoo!マップをナビ代わりに、帰りは本当に快適でした。

東福間教室 佐藤