2014年12月31日水曜日

12月授業内容

1. 12月授業内容<ベーシックコース>
2. 12月授業内容<ミドルコース>
3. 12月授業内容<アドバンスコース>
4. 今月の課題
5. その他

1. 12月授業内容<ベーシックコース『がたごとレスキュー隊』>


 救急ロボットです。
1日目では、何の変哲もなさそうな4輪車に留まりましたが、車体底面の地上高(自動車用語でロードクリアランス)が低いため、少しの段差で引っ掛かってしまい、がたごと道はとても無理のようですね。

それでも、ちょっとした工夫があるのです。それはスピードが“遅い”ことです。
 ギアボックスをよく観察してみましょう。
モーター軸に付けたピニオンギア(歯数8)が先ずベベルギア(歯数24)を回し、続いてベベルギアと同軸(つまり等速)のピニオンギア(歯数8)がギアM(歯数24)を回しています。

タイヤはこのギアMと同軸(または等速)です。
歯数8のギアが歯数24のギアを回す構成が2段ありますので、1段目で1/3に減速、2段目でさらに1/3に減速することになり、モーターの回転を1/3×1/3=1/9に減速してタイヤを回しています。
つまり、モーターが9回転してタイヤがやっと1回転する遅さです。
 遅いだけなら、何のメリットがあるのでしょう?


実は回転する力(トルク)が9倍になるという恩恵があるのです。
試しに、タイヤを外したシャフトを手でギュッと摘まんでみてください。
大人でも止められない程に強力ですよ。てこの原理と同じ理屈が働いています。
レスキュー隊として頼もしい力強さが準備できました。


 2日目では、体験生2名も交えてロードクリアランスの問題を解決します。
もっと大径のタイヤを装着できればよいのですが、タイヤLで最大ですので、代案が必要です。

そうです、タイヤをクロールする脚のように装着するのは、瞬間的に地上高を上げる効果を狙っているためです。
バタバタと騒々しいですが、これで多少の凹凸は乗り越えられるようになりました。

あとは、4脚の取り付け方向ですね。4脚とも揃えるのか、左右は揃えて前後でずらすのか、全てを90°ずつずらすのか。
後者ほど、いずれかの脚が地面を掻いている期間が長く、推進効率に優れそうですが。

 最後の競技は、がたごとレース!
がれきに見立てた大小のレゴブロックを敷き詰めて、大きながれきの向こうで待つレゴ人形の救助に向かいます。
結果、4脚とも揃えたロボットは大きながれきで立ち往生し、前後または全ての向きをずらしたロボットが成功していました。
いずれかの脚が接地していないと、せっかく乗り上げたがれきを底面で滑り下りてしまうようです。
 ただ、路面の起伏や摩擦状況により最適な構成が変わり得ますので、4脚とも揃えるのが常に不利と思わないようにしてください。


2. 12月授業内容<ミドルコース『プログラムロボットカー』>


 “プログラム”と“カー”にそそられます。
現ミドルコース生の最終テーマになりました。
“カー”だけに製作も理解も難しくはありませんが、生みの親で、アイデアコンテストで最優秀賞に選ばれた当時小学6年生に脱帽です。

 これまでも、本体の製作時に動作をプログラミングする要素はありましたが、
本体(ハードウェア)とプログラム(ソフトウェア)媒体を明確に分離した点で、初めてのロボットです。
 プログラムとは何でしょう。一連の行動や動作、目などの手順(表)ですね。


本体の設計を変更することなくプログラムだけで動作を決定できる利点があります。
まあ、ゲーム機全盛の現世代には馴染んだ概念でしょうけれど。
コンピュータ類に限らず、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器まで、現代の殆どの家電にプログラムが組み込まれています。
 本ロボットのプログラム媒体は、赤いロッドを繋ぎ合わせた一本の棒で、その幅(1~3本分)により、右折・直進・左折を指令します。
走行用モーター動力をプログラムロッドの送り用ローラーにも分配しているところがナイスです。

黎明期のコンピュータも、パンチカードと言って、無数のパンチ穴を開けた何十メートルもの紙を送ってプログラムやデータをセーブ・ロードしていましたが、その様を彷彿とさせます。

また、ロッドを円形に組めば無限ループを実現でき、永遠とジグザグ走行や8の字走行を繰り返すこともできます。

 2日目最後の競技に、長机3つの端を使って、コの字形コースを無事に完走するプログラムを設計してもらいました。
単純に円弧を描くコース取りでは、大回りか小回り過ぎて崖から転落してしまいますので、少なくとも短い直進区間が必須です。
フォークリフト同様の後輪操舵なので分かり辛い面もある中、“逆ハンドル”をプログラムしてクリアした人もいましたが、うちの娘は最初から逆ハンドルを切って、あさっての方向に疾走していました。
車の運転が心配です…。


3. 12月授業内容<アドバンスコース『ロボドッグトレーナー』>


 2ヶ月目の授業です。3日目は考察の日です。
主に音センサーの機能と特性、使い方を整理した後、脚のリンク機構を観察しました。
 
平行リンクにより、足裏を(浮かせているときも)地面に対して常に平行に保つことができますが、
これだけでは、上下面を切り開いた段ボールがぺしゃんこに潰れてしまうように、上体を支えることも、足を前後運動することもできません。
平行リンク(平行四辺形)を周期的に変形させて足を運ばせているのが、平行リンクを2点で繋ぎ留めたロッド15アナの役割です。
複雑に見えるリンク機構も、基本的な機能(=設計者の意図)の組み合わせと考えると、分かり易くなります。
リンク機構の正確な動きは予測できるものではありません。
専門家でない先生にも分かりません。

細かいところは試行錯誤で調整すればよいのです。

 4日目はまとめと、久しぶりに発表の場を設けました。
製作したロボットを一人ずつデモンストレーション&プレゼンテーションしてもらい、機能性・デザイン性・プレゼン力の3点について、各自が2ポイントの持ち点を投票して勝者を決める、例のアレです。


毎月やるつもりで、時間がなかなか許してくれませんでした。
せっかく凝らした創意工夫を率直にアピールすれば良い発表になるのに、出る杭は打たれんとする日本的な美徳感からか、みんな控えめです。
今後のアドバンスコースでは必ずやりましょう。

4. 今月の課題


 次回授業日までに完了してください。
 ◎は必須、○は推奨、△は任意です。○△は能力に応じます。

 <ベーシック/ミドルコース>
  ◎ テキストp.12/p.14の空間図形問題にチャレンジ(1日目)
  ◎ 専用方眼紙にロボットの正面図・平面図・側面図をスケッチ(1日目)
  ○ テキスト最終ページにロボットの見取図をスケッチ
   (難しければ、写真撮影したものか、テキスト表紙を模写してもよい)
  ◎ 上記授業内容を印刷する等して音読する

 <アドバンスコース>
  ◎ 折り畳み椅子を独自に組み立て、テキストp.17と見比べる
  △ テキスト最終ページにロボットの見取図をスケッチ
   (難しければ、写真撮影したものか、テキスト表紙を模写してもよい)
  ○ 上記授業内容を印刷する等して音読する

5. その他


 クリスマスはいかがお過ごしでしたか。
クリスマスと正月がいっぺんに来るこの時期は、子供にとって格好の資産形成週間ですが…。
 今年も大変お世話になりました。
来春には北九州教室・ロボティクスプロフェッサーコースを開講する予定です。
来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。よいお年をお迎えください。

東福間教室 佐藤