2016年12月27日火曜日

12月授業内容

1.12月授業内容
2.今月の課題
3.今後の授業スケジュール
4.お知らせ


1. 12月授業内容


1.0 <スタートアップ>


 割愛します。


1.1 <プライマリーコース『アルペンくん』>



 割愛します。




1.2 <ベーシックコース『ロボモンキー』>



 手ながザルが綱(つな)を渡ります。
重い本体をぶら下げたまま長い手を動かさなくてはならないので、モーターとギアには相応の負荷(ふか)が掛かり、「ガリガリッ」と嫌な音を立てるだけで、なかなか進まない人もいました。

このガリガリ音は、ベベルギアの噛み合わせが緩(ゆる)いために滑(すべ)っている音で、ギアの歯をどんどん削(けず)ってしまいます。
モーターに削れた黄色い粉が付いていたでしょう。


そうならないように、テキストp.6でワッシャーを3枚使うように指示しており、先生も「青字の部品名・個数によく注意しないと失敗するよ」と警告しましたが、写真だけを見てワッシャーを1枚しか入れなかった結果です。


何のために必要な部品かを考えていない(ワッシャーがぐらぐらでも気にしない)結果でもあります。
組み付けるすべての部品に(装飾も含めて)意味がありますので、常に追求しましょう。

ワッシャーが足りないと、ベベルギアとピニオンギアうすの間に隙間(すきま)が空き、ベベルギアがしっかり固定されない状態にあります。


すると、モーターからの強い回転力を受けた際に、写真のオレンジ矢印で示す方向にベベルギアがずれ、モーター軸のピニオンギアと噛み合わなくなってしまいます。
この状態がまさにガリガリ音の発生源となるのです。

 さて、ギアがしっかり噛み合ったら、もう一つ大事な電池パワーさえ十分ならば、スイスイと綱渡りするモンキーが見られます。


この手の動きにも注目してください。
モーターによって回転しているのは、目玉の横のクランクまでですが、手の先は綱渡りするのに都合よく、
右手で綱をたぐり寄せているときは、左手を浮かせて後ろに運び、次には反対の手で同様に進むことを交互(こうご)に繰り返しています。

このような動きを変換する仕組みを“リンク機構”と呼び、上級コースで改めて研究しますが、先ずは「確かにそうなるよね」と思えるまで観察してみましょう。
そうすると、2日目で手の振れ幅を大きくしてスピードアップした改造(p.19)も、感覚的に理解できるでしょう。

 なお、実際にスピードアップできるかどうかは、やはり電池パワーによります。
力学的に、「速く動かそうとするほど、力が弱くなる」宿命(てこの原理)がありますので、力の弱いモーター(電池)から欲張って速い動きを取り出そうとしても、逆に遅くなるか止まってしまうことがありましたね。
(ガリガリ音で進まないのは、別の話ですよ)

ということは? 弱い電池でも動かす方法があるってこと?

いつもはロボットを速くする改造に気を取られますが、遅くすることで得られるメリットもあるのですよ。
ギアで減速するのでも、手足を短くするのでも、それを自分の手で実験して確かめてみてください。


1.3 <ミドルコース『チクタクロック』>



 振り子時計です。ロボットというより、からくり仕掛けを匂わせます。
皆さんの家には振り子時計があるでしょうか?
先生はオークションで手に入れました・・・昭和40年代のホンモノを。

 1日目は、時計の針をモーターで「ウィーン」と回しました。味気ないですね。
これに振り子を付け足して揺らしても、摩擦のせいで時間と共に減衰(げんすい)しますので、揺れ続けるには、振り子へのエネルギー供給が別途必要です。


通常(?)は電磁石が使われます。だから、振り子時計の裏には、モーター用の電池と電磁石用の電池が2本入るようになっていることが多いですね。
時計の針と振り子は全く相関(そうかん)なく、独立して動いています・・・それは、ニセモノです!





 本来、振り子時計の振り子は飾りではなく、一定の周期で振れる性質(等時性)を利用した、時のリズムを正確に刻むための肝要(かんよう)な仕掛けです。
電池やモーターが無い時代から動いていた時計、エネルギー源としてはゼンマイがよく使われていました。





 2日目は、時計の針を、巻き上げたおもり(位置エネルギー)で回しました。
ただし、それだけでは、時計の針が目まぐるしく回り、あっという間におもりが着地しておしまいです。
時のリズムに合わせて、与えたエネルギーを少しずつ使い、少しずつ針を進める仕掛け(脱進機が必要です。


チクタクロックの脱進機は、実際の時計用とは少し違いますが、このシンプルな部品構成で脱進機の役割を立派に果たしています。
すでに脱進機を知っていた人も、この機構はなかなか思いつかなかったのではないでしょうか。

何しろ、おもり(タイヤL)が下がる微弱な位置エネルギーで、針の回転振り子の加勢を滞りなく繰り返す、微妙なエネルギー収支バランスが必要です。
テキストの設計はやはり絶妙です。

 テキスト通りに組み上げると、随所からチクタク音が聞こえてきました。
そうです、いわゆるチクタク音の正体は脱進機だったのです。
初めて電池とモーターを使わないマシン、新鮮です。


 振り子の長さで音のリズム(時計の速さ)を変えることもできます。
振り子時計の基本原理が詰まっています。

このチクタク音を長く持続させるポイントは2つ。
・振り子を長く(重さは関係ない)
・おもりの位置エネルギーを高く(巻き付ける紐を長く)

このうち、振り子を長くすることで重くなると、どうしても摩擦や、振らせるのに必要な力(慣性モーメント)を増やし、脱進機によるエネルギー供給が足りず停止しがちです。
その場合は、おもりを重くするか、巻き付け半径を大きくする(*1)と有効です。

工夫すれば、160cmの紐で100秒以上のチクタク音を奏でることができます。
この音、レトロでいいですね。


*1 てこの原理により、おもりを重くするのと同様に回転力が増しますが、その分速く垂れ下がります。


1.4 <アドバンスコース『ロボドッグトレーナー』>


 現役生には最初の本番テーマ、2ヶ月目の授業です。

 3日目は、主に音センサーの機能と特性、使い方を整理した後、脚のリンク機構を観察しました。
平行リンクにより、足裏を(浮かせているときも)地面に対して常に平行に保つことができます。
しかし、これだけでは、上下面を切り開いた段ボールがぺしゃんこに潰れてしまうように、上体を支えることも足を前後運動することもできません。


平行リンク(平行四辺形)を周期的に変形させて足を運ばせているのが、平行リンクを2点で繋ぎ留めたロッド15アナの役割です。
複雑に見えるリンク機構も、基本的な機能の組み合わせ(=設計者の意図)と考えると、分かり易くなります。

リンク機構の正確な動きは予測できるものではありません。専門家でない先生にも分かりません。細かいところは試行錯誤で調整すればよいのです。

 4日目は、『ロボドッグトレーナー』についてまとめた後、リンク機構を使った身近な製品として、折り畳み椅子のミニチュアを製作しました。

本当はテキストを閉じ、教室にあった実物を見ながら、自分の考えで製作してもらいたかったのですが、アドバンスコース生にとって、テキストの写真を見ながら組み立てるのは、もはや造作もないことでしたね。

 図面を読み取り、自ら使用部品と製作手順を策定する営みに慣れたところで、来年の新しいテーマにも果敢に挑戦してもらいましょう。


1.5 <プロ1年目コース『リンクロボット(3)』>


 多脚リンクロボットの3ヶ月目、最終月です。
6月の授業の復習になりますが、繰り返します。

 知的ロボットに必要な「感じて」「考えて」「動く」機能のうち、先月までは「考えて」「動く」だけでした。
いや、「考える」といっても、定めたプログラム通りに動くだけで、せいぜい次の動作に移行する秒数を計っているだけでした。

想像してみてください。いくら“脳ミソ”があっても、外界との接点が無ければ(目も耳も鼻も触覚さえも!)、意識は闇の中…。息が詰まりそうですね。


 1日目では、「感じる」触覚を与えます。
円形ボード(頭部?)の左右にタッチセンサーを取り付け、そこから針金(触角?)を前方へ2本伸ばし、地面まで垂らします。
机上で前進中、針金の先が机の縁から垂れ下がるとタッチセンサーがOFFになって、これを検出するプログラムでロボットを後ずさりさせたり、旋回させたり、自由に設計できます(*2)。
瞬く間に、崖から落ちないインテリロボの完成です。

これだけでも、ロボット掃除機を想わせる動きになります。どうです?
あのスゴイ家電の動作も、こんな感じで実現できてしまうのですよ!
自ら判断して動いてくれるので、生物のような賢さや可愛らしさが出てきます。

 このために、必要なプログラミング要素を学びました。
もし、○○だったら△△して、そうでなければ××する”ような判断と行動のルールを与えるもので、“if ○○ { △△ } else { ×× }”の形式で記述します。
条件分岐といって、プログラムには大切な要素です。
これがなければ、ゲームソフトも紙芝居がせいぜいです。

 最終日の2日目は、『天下一ロボット武道会』と銘打ち、ラジコン操縦プログラムを転送したロボット同士で一騎打ちを繰り広げます。


ゲーム性を高めるために、ハード的・ソフト的に改造を加えます。
感じるタッチセンサー2個をロボットの前後に付け直し、打たれるとヒットポイント(HP)を失う“急所”に仕立てます。

相手の“急所”を突くための(ほこ)を装備します。

8×8ドットLEDマトリクスを装着し、ロボットのステータス(HP、スタミナ、無敵モード、勝敗宣言)を表示させます。

スピーカも繋ぎ、「敗北の悶絶」や「勝利の雄叫び」に備えます。


 各自で特性パラメータ(初期HP、スタミナ消費/回復速度)を割り振り、バトルフィールドに放って「勝負始め!」
一見単純そうで、パラメータ振りや、攻め・守り・スタミナ回復のための時間/HP消費などの戦略要素が効いてか、これがなかなか面白い!
ゲーム内の戦闘ロボットを現実界に持ち出した感、いや、リアリティはそれ以上(当たり前)です。


この3ヶ月間、多大な時間を費やして組み上げては分解調整を繰り返した末、苦労してスムーズな動きを獲得したロボットは、最後の戦闘を楽しませてくれる堅牢感を見せました。

 ハード・ソフトを問わず、様々な面において思い通りに動かず、苦汁を味わうのは、巷の“ロボコン”でも同じです。いや、全くこの程度では済まされません。
純デジタルのゲーム世界と異なり、現実の闘いは泥臭い作業の積み重ねであることの片鱗も伺えたのではないでしょうか。


*2 もはや、タッチセンサーが従来のロボット教室でいう黒(押されてON)タイプか、グレー(押されてOFF)タイプかなど、プログラム次第でどうにでもなるので、どちらでも構わないのです。実際は、グレータイプのようです。


1.6 <プロ2年目コース『センサーロボット(3)』>


 ついに、高精度な変位(位置)検知の雄である“エンコーダー”の出番です。

エンコーダーは、車のスピードメーターやプリンター、お掃除ロボットなど、位置や速度を正確に検出したり、フィードバック制御したりする、あらゆる電子制御機器で使われています。

これまでプログラム制御してきたロボットは、タイヤの回転数を“回す時間”で推し量ってきました。
実際のモーターがどれだけのトルクを発揮するか、回転軸の摩擦力がどれだけかも知れず、これでは「時間内でやれるだけやっておくよ」と言うようなもので、精度(必要な移動量)に対して無責任です。
こんなものは、おもちゃか、ラジコンにしか使えません。

 エンコーダーの原理は、可動部に取り付けた光センサーと、シマシマ模様の反射板(フォトリフレクタ)とが、その相対位置を変えること(移動や回転)によって発生させる、0と1の2値からなるパルス信号を読み取ることです。

移動が一方向ならこれで十分ですが(*3)、正逆を気にする場合は、もう一工夫必要です。
やり方は一つではありません。いろんな解決策がありますが、原理を例えるなら、
ばかばかばか…」と「かばかばかば…」を途中から聞いても区別がつきませんが(*4)、
くるまくるま…」と「まるくまるく…」なら、どこの2文字でも違いが分かりますね。

要は、状態を「3値以上」で表現できれば良いわけです。
2値のパルス信号が好きなデジタル回路なら、2系統を組み合わせて実質的に4値(*5)とすれば良く、それが今回のエンコーダーです(p.16)。


 そんなエンコーダーを左右両輪にそれぞれ使った移動ロボットで、任意の4角形や3角形の軌跡を、これまでのロボットでやったよりもずっと正確に描くことができました(*6)。

前進(両輪)や旋回(片輪)は、エンコーダーからのパルス信号を処理してモーター速度を一定に保ってくれるライブラリのお陰で、これまで回転量(時間)の制御に用いてきた delay() をまた使うことができ、分かり易くなっています(*7*8)。

 でも、次回エンコーダーを用いる時は、実践的にパルス信号を処理して回転数制御したいものですね。
最後に、エンコーダーの赤外線センサー1個だけを地面に向けて実現したライントレーサーも、アドバンスコースやプロ1年目のものと原理的に何ら変わりませんしね。


*3 もしくは前進と後退を区別しないスピードメーターなど。

*4 もしくは「俺が途中から逆向きに読んだのが分かるかい?」と意地悪を言われても。

*5 2+2ではありません。組み合わせの問題なので、2×2です。

*6 辺での直進距離と、頂点での回転角度の両方を制御できました。

*7 算数ができればの話で…「曲率半径60mmの円周上を中心角300°分旋回するには、毎分30回転する直径48mmのタイヤを何秒間回せばよいか?」など。算数も役に立つんだね!

*8 一部の生徒には不満だったようで、「本来、エンコーダーからのパルス数を直接読み取って移動量を制御すれば良いものを、相変わらず時間制御とは…」 分かります。


2. 今月の課題

 次回授業日までに完了してください。
 ◎は必須、○は推奨、△は任意です。○△は能力に応じます。

 <スタートアップ/プライマリーコース>
  特にありません

 <ベーシックコース>
  ○ オリジナル課題プリント(3面図+設問)
  ○ 上記授業内容を精読する
   (概ね3年生以上/低学年は補助 or クイズ出題形式で)

 <ミドルコース>
  ◎ オリジナル課題プリント(3面図+設問)
  ◎ 上記授業内容を精読する

 <アドバンスコース>
  ○ 上記授業内容を精読する

 <プロ1年目コース>
  ○ 上記授業内容を精読する(該当テキストページを見ながら)
  ◎ 左右の脚リンクが同程度にスムーズに動くよう、分解調整する
   (天下一ロボット武道会、もう1回やります!)

 <プロ2年目コース>
  ◎ 上記授業内容を精読する(該当テキストページを見ながら)
  ◎ [LineTracer]が動作するよう下向きエンコーダー基板の位置を調整する
   (ライントレーサーGP、もう1回やります!)


3. 今後の授業スケジュール


 日付の()は臨時、!は原則外、?は予定の意です。

[東福間]第1・3土原則
   - 10:30~ ロボ・ミドル/アドバンス
   - 13:30~ ロボ・ベーシック/プライマリ

 ・1/7, 21,  2/4?, 18?,  3/4?, 18?


[東福間プロ]第2・4日原則
   -  9:45~ ロボ・プロ1年目
   - 13:00~ ロボ・プロ2年目

 ・1/15!, 29!,  2/12, 26,  3/12, 26


[中間]第2・4土原則
   - 13:30~ ロボ・ベーシック/プライマリ
   - 15:15~ ロボ・ミドル

 中間市生涯学習センター※
 ・1/14 第1回 1F第2研修室
 ・1/28 第2回 1F第2研修室
 なかまハーモニーホール
 ・2/11, 2/25,  3/11, 25

 ※1月はハーモニーホール利用不可の為、代替施設での開催です。


[小倉北]第1・3日原則
   - 10:00~ ロボ・ベーシック/プライマリ
   - 13:00~ ロボ・ミドル
   - 15:00~ ロボ・ベーシック/プライマリ第2部

 ムーブ
 ・1/ 8! 第1回 5F小セミ
 ・1/22! 第2回 4F工芸室&和室
 ・2/5, 19(北九州マラソン),  3/5, 19


―――――――――― 振替提携教室 ――――――――――
 振替希望は1週間前までにお願いします(許可制)
 振替手数料540円/回をご負担下さい(お引落し)
 所定コースのみお受けします

[八幡東]第1・3土原則
   - 13:30~ ロボ・ベーシック/ミドル

 レインボープラザ4F by 中野司先生
 ・1/7, 21,  2/4, 18,  3/4, 18,  4/1, 15


[とばた]第2・4土原則/第3土臨時
   - 第2・4土 13:30~ ロボ・全コース
   -(第3  土 10:00~ ロボ・全コース)

 ウェルとばた8F by 菅本進先生
 ・(1/7!), 1/14, 21!,  2/11, 25,  3/11, (18), 25


[小倉南]第2・4日原則【振替専用教室として試験運用中】
   - 10:30~ ロボ・ベーシック
   - 13:00~ ロボ・ミドル

 総合農事センター2F B研修室 by 中野司先生
 ・1/15!, 29!,  2/12(A研修室), 26,  3/12, 26


4. お知らせ

 1) 電池について
  ・単4乾電池4~5本、充電池5本を用意下さい。
  ・電池不足が多く見受けられ、進行上の支障となっております。
   電池チェッカー・予備電池を用意し、自ら残量の管理を。
  ・教室サービス時、原則として電池代4本108円+診断料108円を頂きます。

 2) 宿題ポイントについて【ベーシック・ミドルのみ/中野司先生協同】
  オリジナル課題(図面5点+設問5点=10点満点)を第2回目の授業で配布しています(*1)。
  点数分のポイント色カードを進呈し、3ヶ月毎に景品交換を予定します(*2)。


  *1 正規の第2回授業日にのみ配布/提出期限は次月第2回授業日
  *2 市販雑貨の他、オリジナルガジェットを順次開発中
   (写真は完成した専用電池チェッカー)

 3) 11月高得点者  []内は教室と学年

  ◆ベーシック【20名平均 図面2.1+設問1.9=4.0】
   10点…なし  9点…なし  8点…橋本[小倉北2]

  ◆ミドル【17名平均 図面3.6+設問2.6=6.2】
   10点…近藤[小倉北5]
    9点…大川[小倉北6], 岩熊[中間5]
    8点…佐藤[小倉北7], 山本[中間4], 松尾[八幡東6]


今年も大変お世話になりました。よいお年をお迎え下さい。

東福間・中間・小倉北教室 佐藤