2.今月の課題
3.今後の授業スケジュール
4.お知らせ
1. 12月授業内容
1.0 <スタートアップ(全コース)>
割愛します。
1.1 <プライマリーコース『アルペンくん』>
割愛します。
1.2 <ベーシックコース『ロボモンキー』>
手ながザルが綱(つな)を渡(わた)ります。
重い本体をぶら下げたまま長い手を動かさなくてはならないので、モーターとギアには相応(そうおう)の負荷(ふか)が掛(か)かり、「ガリガリッ」と嫌(いや)な音を立てるだけで、なかなか進まない人もいました。
このガリガリ音は、ベベルギアの噛(か)み合わせが緩(ゆる)いために滑(すべ)っている音で、ギアの歯をどんどん削(けず)ってしまいます。
モーターに削れた黄色い粉(こな)が付いていたでしょう。
そうならないように、テキストp.6でワッシャーを3枚使うよう、青字の部品名・個数で書かれています。
写真だけを見てワッシャーを1枚しか入れないのは、何のために必要な部品かを考えていない(ワッシャーがぐらぐらでも気にしない)結果です。
組み付ける部品には意味がありますので、常に追求しましょう。
ワッシャーが足りないと、ベベルギアとピニオンギアうすの間に隙間(すきま)が空き、ベベルギアがしっかり固定されない状態にあります。
すると、モーターからの強い回転力を受けた時に、写真のオレンジ矢印で示す方向にベベルギアがずれ、モーター軸(じく)のピニオンギアと噛み合わなくなってしまいます。
この状態がまさにガリガリ音の発生源となるのです。
さて、ギアがしっかり噛み合ったら、もう一つ大事な電池パワーさえ十分ならば、スイスイと綱渡りするモンキーが見られます。
この手の動きにも注目してください。
モーターによって回転しているのは、目玉の横のクランクまでですが、手の先は綱渡りするのに都合(つごう)よく、
右手で綱をたぐり寄(よ)せているときは、左手を浮(う)かせて後ろに運び、次には反対の手で同様に進むことを交互(こうご)に繰(く)り返しています。
このような動きを変換(へんかん)する仕組みを“リンク機構(きこう)”と呼び、もっと上級のコースで改(あらた)めて研究しますが、まずは「確かにそうなるよね」と思えるまで観察してみましょう。
そうすると、2日目で手の振(ふ)れ幅(はば)を大きくしてスピードアップした改造(p.18)も、感覚的に理解できるでしょう。
なお、実際にスピードアップできるかどうかは、やはり電池パワーによります。
てこの原理により、「速く動かそうとするほど、力が弱くなる」宿命(しゅくめい)がありますので、力の弱いモーター(電池)から欲張(よくば)って速い動きを取り出そうとしても、逆に遅(おそ)くなるか止まってしまうことがありましたね。
(ガリガリ音で進まないのは、別の話ですよ)
ということは? 弱い電池でも動かす方法があるってこと?
まずは、2日目p.19~20の改造を「しない」ことですね。
ギアMをピニオンギアうすに替(か)えて、腕(うで)を動かすシャフト8ポチを速く回そうとしています。
さらに、p.18の改造とは逆に、手の振れ幅も小さくしてみましょう。
いつもはロボットを速くする改造に気を取られますが、遅くすることで得(え)られるメリットもあるのですよ。
ギアで減速(げんそく)するのでも、手足を短くするのでも、それを自分の手で実験して確かめてみてください。
1.3 <ミドルコース『チクタクロック』>
振り子時計です。ロボットというより、からくり仕掛けを匂わせます。
皆さんの家には振り子時計があるでしょうか?
先生はオークションで手に入れました・・・昭和40年代のホンモノを。
1日目は、時計の針をモーターで「ウィーン」と回しました。味気ないですね。
これに振り子を付け足して揺(ゆ)らしても、摩擦(まさつ)のせいで時間と共に減衰(げんすい)しますので、揺れ続けるには、振り子へのエネルギー供給が別途(べっと)必要です。
通常(?)は電磁石が使われます。だから、振り子時計の裏には、モーター用の電池と電磁石用の電池が2本入るようになっていることが多いですね。
時計の針と振り子は全く相関(そうかん)なく、独立して動いています・・・それは、ニセモノです!
本来、振り子時計の振り子は飾りではなく、一定の周期で振れる性質(等時性=とうじせい)を利用した、時のリズムを正確に刻(きざ)むための肝要(かんよう)な仕掛けです。
電池やモーターが無い時代から動いていた時計、エネルギー源としてはゼンマイがよく使われていました。
2日目は、時計の針を、巻き上げたおもり(位置エネルギー)で回しました。
ただし、それだけでは、時計の針が目まぐるしく回り、あっという間におもりが着地しておしまいです。
時のリズムに合わせて、与えたエネルギーを少しずつ使い、少しずつ針を進める仕掛け(脱進機=だっしんき)が必要です。
チクタクロックの脱進機は、実際の時計用とは少し違いますが、このシンプルな部品構成で脱進機の役割を立派(りっぱ)に果(は)たしています。
すでに脱進機を知っていた人も、この機構はなかなか思い付かなかったのではないでしょうか。
何しろ、おもり(タイヤL)が少しだけ下がる分の微弱(びじゃく)な位置エネルギーで、針の回転と振り子の加勢(かせい)を滞(とどこお)りなく繰り返す、微妙(びみょう)なエネルギー収支(しゅうし)バランスが必要です(*1)。
テキストの設計はやはり絶妙(ぜつみょう)です。
テキスト通りに組み上げると、随所(ずいしょ)からチクタク音が聞こえてきました。
そうです、いわゆるチクタク音の正体は脱進機だったのです。
初めて電池とモーターを使わないマシン、新鮮です。
振り子の長さで音のリズム(時計の速さ)を変えることもできます。
振り子時計の基本原理が詰(つ)まっています。
このチクタク音を長く持続させるポイントは2つ。
・振り子を長く(重さは関係ない)
・おもりの位置エネルギーを高く(巻き付ける紐を長く)
このうち、振り子を長くすることで重くなると、どうしても摩擦や、振らせるのに必要な力(慣性モーメント)を増やし、脱進機によるエネルギー供給が足りず停止しがちです。
その場合は、おもりを重くするか、巻き付け半径を大きくする(*2)と有効です。
工夫すれば、160cmの紐で100秒以上のチクタク音を奏でることができます(*3)。
この音、レトロでいいですね。
*1 収支とは、出し入れのこと。おもりが出す位置エネルギーを脱進機に入れ、摩擦熱(音も含む)として消費していきますが、
このエネルギー(≒力)が必要以上に大きいと、振り子を無駄(むだ)に加勢してエネルギーを浪費(ろうひ)し、逆に小さいと、止まってしまいます。
*2 てこの原理により、おもりを重くするのと同様に回転力(トルク)が増しますが、その分速く垂れ下がります。
*3 2018年6月、*2とは逆に、巻き付け半径を小さくし(おもり降下速度を落とし)、弱くなったトルクでも動くよう脱進機のギアLをギアMに替えて(振り子の振れ幅を小さくして)、標準的な机上の高さにも拘(かかわ)らず100秒を超えたあっぱれな4年生もいました。
1.4 <アドバンスコース『アルクンダーZ(1)』>
《下記を参照下さい》
http://robocobo.sakura.ne.jp/blog/robot/adv1-1712.pdf
1.5 <プロ1年目コース『リンクロボット(3)』>
多脚リンクロボットの3ヶ月目、最終月です。
知的ロボットに必要な「感じて」「考えて」「動く」機能のうち、先月までは「考えて」「動く」だけでした。
いや、「考える」といっても、定めたプログラム通りに動くだけで、せいぜい次の動作に移行する秒数を計っているだけでした。
想像してみてください。いくら“脳ミソ”があっても、外界との接点が無ければ(目も耳も鼻も触覚さえも!)、意識は闇の中…。息が詰まりそうですね。
1日目では、「感じる」触覚を与えます。
円形ボード(頭部?)の左右にタッチセンサーを取り付け、そこから針金(触角?)を前方へ2本伸ばし、地面まで垂らします。
机上で前進中、針金の先が机の縁から垂れ下がるとタッチセンサーがOFFになって、これを検出するプログラムでロボットを後ずさりさせたり、旋回させたり、自由に設計できます。
瞬く間に、崖から落ちないインテリロボの完成です。
これだけでも、ロボット掃除機を想わせる動きになります。どうです?
あのスゴイ家電の動作も、こんな感じで実現できてしまうのですよ!
自ら判断して動いてくれるので、生物のような賢さや可愛らしさが出てきます。
このために、必要なプログラミング要素を学びました。
“もし、○○だったら△△して、そうでなければ××する”ような判断と行動のルールを与えるもので、“if ○○ { △△ } else { ×× }”の形式で記述します。
条件分岐といって、プログラムには大切な要素です。
これがなければ、ゲームソフトも紙芝居がせいぜいです。
最終日の2日目は、『天下一ロボット武道会』と銘打ち、ラジコン操縦プログラムを転送したロボット同士で一騎打ちを繰り広げます。
ゲーム性を高めるために、ハード的・ソフト的に改造を加えます。
「感じる」タッチセンサー2個をロボットの前後に付け直し、打たれるとヒットポイント(HP)を失う“急所”に仕立てます。
相手の“急所”を突くための矛(ほこ)を装備します。
8×8ドットLEDマトリクスを装着し、ロボットのステータス(HP、スタミナ、無敵モード、勝敗宣言)を表示させます。
スピーカも繋ぎ、「敗北の悶絶」や「勝利の雄叫び」に備えます。
各自で特性パラメータ(初期HP、スタミナ消費/回復速度)を割り振り、バトルフィールドに放って「勝負始め!」
一見単純そうで、パラメータ振りや、攻め・守り・スタミナ回復のための時間/HP消費などの戦略要素が効いてか、これがなかなか面白い!
ゲーム内の戦闘ロボットを現実界に持ち出した感、いや、リアリティはそれ以上(当たり前)です。
この3ヶ月間、多大な時間を費やして組み上げては分解調整を繰り返した末、苦労してスムーズな動きを獲得したロボットは、最後の戦闘を楽しませてくれる堅牢性を見せました。
ハード・ソフトを問わず、様々な面において思い通りに動かず、苦汁を味わうのは、巷の“ロボコン”でも同じです。
いや、全くこの程度では済まされません。
純デジタルのゲーム世界と異なり、現実の闘いは泥臭い作業の積み重ねであることの片鱗も伺えたのではないでしょうか。
2. 今月の課題
<スタートアップ(全コース)>
特にありません
<プライマリーコース>
- オリジナル図形プリント
<ベーシックコース>
- オリジナル課題プリント(3面図+設問)
- 上記授業内容を精読する(概ね3年生以上/低学年は補助の下で)
<ミドルコース>
- オリジナル課題プリント(3面図+設問)
- 上記授業内容を精読する
<アドバンスコース>
- 上記授業内容を精読する
<プロ1年目コース>
- 上記授業内容を精読する(該当テキストページを見ながら)
- 2018年12月アドバンスコース『モゾット(1)』で紹介した動画(YouTube)を視聴する
http://higashi-fukuma-robot.blogspot.com/2018/12/
3. 今後の授業スケジュール
◆中間・小倉北1月アドバンス進級の方は、従来のミドル時間でスタートアップ授業させて頂きたくご協力下さい。
◆中間1/25は『中間市生涯学習センター』で開催予定です。
◆小倉北3/15→3/22へ一週ずれます。
◆小倉南3月は一週ずつ遅れます。
――――――――――【佐藤教室長】――――――――――
[東福間]第1・3土原則<学習ルームでこぼこ>
- 13:30~ ベーシック/プライマリ
- 15:30~ ミドル
- 17:30~ アドバンス
⇒ 1/4, 18, 2/1, 15, 3/7, 21
[中間]第2・4土原則<なかまハーモニーホール>
- 13:30~ ベーシック/プライマリ
- 15:30~ ミドル/アドバンスSU
- 17:30~ アドバンス
⇒1/11 第1回 なかまハーモニーホール3F会議室2
1/25※第2回 中間市生涯学習センター(予定)
2/8, 22, 3/14, 28
※1/25はハーモニーホール利用不可の為、代替施設で開催します。
[小倉北]第1・3日原則<ムーブ>
- 10:30~ ベーシック/プライマリ
- 13:00~ ミドル/アドバンスSU/ロボプロ1年目
- 15:00~ アドバンス
⇒1/ 5 第1回 5F企画1・2
1/19 第2回 5F企画1・2
1/5, 19, 2/2, 16, 3/1, 22※
※教室都合の為、3/15→3/22へ一週ずれます。
――――――――――【中野教室長】――――――――――
[八幡東]第1・3土原則<レインボープラザ4F>
- 13:30~ ベーシック/プライマリ
- 15:30~ ミドル
- 17:30~ アドバンス
⇒ 1/4, 18, 2/1, 15, 3/7, 21
[小倉南]第2・4日原則<総合農事センター2F>
- 10:30~ ベーシック/プライマリ
- 13:00~ ミドル(/ロボプロ1年目)
- 15:00~ アドバンス
⇒ 1/12, 26, 2/9, 23, 3/15※, 29※
※教室都合の為、3月は一週ずつ遅れます。
4. お知らせ
1) 標準キット用バッグ/ケース リニューアル品の斡旋[再掲]収納性・強度などが改良されました。
http://robocobo.sakura.ne.jp/blog/goods/newBagCase.pdf
1/19(日)まで特別価格で斡旋します。ご希望の方はメールにて承ります。
・標準バッグ 3,500円⇒2,500円(税別)
・標準ケース 1,000円⇒ 700円(税別)
セット購入がお奨めです。お代はお引落しで頂戴します。
2) 宿題プリントA4化と各自印刷のお願い[再掲]
下記理由により、全員配布しておりましたA3図面用紙の全員配布を廃止し、
段階的にA4化と各自印刷へ移行したく、ご理解・ご協力お願い申し上げます。
【廃止理由】
- 本部からのA3図面用紙の支給廃止
- 宿題の(任意)提出率に鑑みた、紙資源の節約
- プリント・解答の迅速な開示と、支給洩れの解決
【移行措置】
- 12月までA4化したプリントを全員配布します
- 来年1月から月報等に記したプリントを各自印刷して頂きます
3) タブレット修理窓口
下記の通り、タブレット修理はご自身で手配して頂くことになります。
http://robocobo.sakura.ne.jp/blog/Information%20on%20tablet%20repair%20service.pdf
- 動作不良時は、先ず教室長までご連絡・お見せ頂く方が宜しいですが、
画面破損等、明らかな故障の場合は早々にご依頼下さい。
- 窓口にはタブレット貸出を希望下さい。
- タブレット貸出が次回授業に間に合わない場合は教室分を用意します。
4) 11月課題 高得点者 []内は教室と学年
◆プライマリ【12名平均 図形2.8】
5点…柴田[小倉北2], 仲井[小倉北2]
4点…諭[小倉北1]
◆ベーシック【25名平均 図面2.8+設問1.5=4.3】
10点…なし
9点…なし
8点…なし
7点…貞末[中間4], 千葉[中間4], 古賀[八幡東3], 武田[八幡東2], 小牧[小倉南2]
◆ミドル【13名平均 図面2.8+設問2.7=5.5】
10点…なし
9点…森崎[八幡東4], 林田[小倉南2]
8点…なし
◆アドバンス【10名平均 図面6.3+設問4.6=10.9】
14点…桑村[中間5], 橋本[小倉南5]
5) 今月のオモシロ語録
講師: 今年、サンタさん来た?
生徒: んーん、うちお寺やし、セコムあるし。(中間教室3年生)
東福間・中間・小倉北教室 佐藤 / 八幡東・小倉南教室 中野