2. 今月の課題
3. 11月授業スケジュール
4. 12月~授業スケジュール(予告)
5. ひと言
6. 本部からお知らせ
1. 10月授業内容<ベーシックコース『ロボート』>
ロボ・ボートの略ですね。ネーミングもさることながら、オールをこぐ動きもナイスです。この動きは、棒の中央付近(支点)をあまり動かないように固定し、一端(力点)をこぐように回すと、他端(作用点)も同様に回る性質を利用しています。
ただし、支点の位置によって、作用点の動きを大きく(速く)したり、代わりに働く力を大きくしたり、自在に調整できます。
大事なことは、速さと力の両方を増やすことはできず、どちらか欲しい方を好きなだけ増やせる(*1)ということです。これを『てこの原理』といいます。
支点が真ん中にあれば、力も速さも変わらず、力点と作用点が対等に“闘う”ことができます(*2)。
天びんや公園のシーソーは、力点と作用点(区別は不要)に同じくらいの重さの物や人をのせて、バランスを取るものです。
重さの異なるもの同士なら、重い方が支点の近くに寄ることでバランスが取れます。
シーソーでは、大人が中央寄りに座りますよね。
支点が作用点の方に近ければ、力点を大きく動かさないといけない代わりに、力点に加えた力よりも大きな力が作用点に働きます。
『てこの原理』と言えば、通常はこちらの利用方法を指し、ペンチや枝切りばさみ、缶切り、せん抜きなど、固いものを切ったり動かしたりする道具に利用されています。
逆に、支点が力点の方に近ければ、力点に大きな力が必要になる(重く感じるようになる)代わりに、作用点を大きく(速く)動かすことができます。
ボートをこぐオールはこちらの利用方法で、結構大きな力が要る代わりに、一こぎですーっと進むことができます。
オール(シャフト)の根元は、輪ゴムでクランク(*3)の先と結び、人間の手のように柔らかく“水面”をこぐ設計もうまいです。
2日目の最後に、ボートレースでスピードを競いました。
生徒のアイデアで、2~3人のチーム対抗リレーも、盛り上がりました。
チーム戦では個々人の責任が重大ですが、ロボットの仕上げが間に合わず、うまく動かない人が責められたり、責任を感じていないマイペースな人に周囲がハラハラさせられたりする一幕もありました。
*1 例えば、力を倍に増やして得をすれば、速さが半分に減って損をします。世の中、うまくできていますね。
*2 物体が静止している時、重力が働いている地球上では必ず、何か2つ以上の力が対立しながらバランスを取っています。
*3 実際に使用している部品は『クランク』ではなく『クロスジョイント』ですが、クランクと同じ作用を働かせています。
2. 10月授業内容<ミドルコース『あがってゴーゴー号』>
ジェットコースターです。必要な動力は、コースター(乗り物)を頂上まで持ち上げることのみです。あとは“下り”だけですね。
コースターを引き上げる方式として、主流なのは地上と頂上の間を周回する長いチェーンにコースター下部のツメを引っ掛ける方式ですが、過激なものは、圧縮空気やリニアモーターで平地から一気に加速させ、惰性で昇らせてしまいます。(乗ってみたい…)
今回は、コースター下部のラックギアが、一列に並んで回転するギアMの上部と噛み合い、昇っていきます。
一連のギアMをチェーンと見立てれば、主流の方式に似ていますね。
1日目は、傾斜したレール上を頂上まで昇らせるところまでです。
重要ポイントは、
1) ラックギアと噛み合うギアMだけは、
2) すべて、
3) 同じ方向に、
回転させることです。
なぜ、直径の異なるギアMとピニオンギアを交互に噛み合わせているのか?
だって、隣り合うギア同士は逆回転する宿命にありますからね。
逆回転するピニオンギアとラックギアを接触させるわけにはいきません。
2日目は、下りのレールを付け足しました。
乗り物としては、これこそが醍醐味ですものね!
小さい部品を駆使して、頂上部を滑らかに形成します。
下りながらスピードが増すのは、物理学的に言えば、
頂上で満タンになった位置エネルギー(高さ)が、
下るにつれて運動エネルギー(速さ)に変わっていくからです。
最下点では位置エネルギーが最小、運動エネルギーが最大です。
その後、机の上をしばらく滑走し、摩擦で机とコースターを僅かに暖めながら止まります。
位置エネルギー ⇒ 運動エネルギー ⇒ 熱エネルギーへと変換されました。
実際のコースターでは、何度か上昇と下降を繰り返す中で、位置エネルギーと運動エネルギーの交換が起こりますが、その和は(摩擦損失を無視すれば)常に一定であるというのが、中学3年で習う『エネルギー保存則』です。
振り子やブランコが高さと速さを交換しながら運動を続けるのも同じ原理です。
最後の競技は、コースターに人形パーツを乗せて無事に下ることができるか、安全性で勝負しました。地上(机上)の高さ以下、奈落の底へと続く下りレールを延長した改造例もありましたが、
果たして乗員の運命や如何に。
3. 10月授業内容<アドバンスコース『ロボウルフ』>
2ヶ月目の授業です。
3日目にして、ようやくロボット製作の日です。
テキストに載った数枚の完成写真(見取図)をヒントに、別途与えられた4面図を読み取りながら製作しました。
脚のリンク機構が複雑かつ難解でしたが、その甲斐あって、動物らしいリアルな動きを見せます。
隣接する2つの4節リンク(1つは平行リンク)が変形しながら、各脚の運びを実現していることを先月に予習しておきました。
4日目は、動きの仕組みのまとめと競技の日です。
4脚歩行ロボットという点では、各脚の運びを担うリンク機構と、4脚を動かす順番がポイントになるのですが、いずれもこれこそが正解というものはありません。
4足の着地順は、実際に動物によっても違いますし、同じ動物でも、歩き方・走り方によって何種類も使い分けています。
左右で位相を180°ずらし、前後も90~180°ずらして、体が左右に揺れ過ぎないようバランスをとればよいでしょう。
大事なのは、チェビシェフのリンク機構を基本原理として、モーターの回転運動(ギア側面に設けたジョイント部の等速円運動)を楕円運動に変換し、足を前に戻す際に浮かせたり、接地して後ろに蹴る際に速さを増したりして、効率よく推進させることです。
黄色い鼻に見立てた音センサーで、手をたたくと歩み寄ってくるところが愛らしいですが、犬ではなく狼だということをお忘れなく。
4. 10月授業内容<ロボプロコース『リンクロボット(1)』>
Autumn(秋)タームとして、多脚リンクロボットを製作し、プログラム制御するまでの3ヶ月が始まりました。
脚がうにょうにょ動き、にょろにょろ走り回る姿態を空想して、否応無しに期待感が高まります。
1ヶ月目は、2本1組の脚リンクを組み立て、その動きを考察します。
1組2本の脚だけでも、うねうねと有機的な動きを見せます。
これが6組12本も組み合わさるとなれば、それは壮麗なのか、不気味なのか、いずれにせよ楽しみです。
曲線に富んだパーツをいくつも繋ぎ留めていくので、とても複雑に見えるリンク機構ですが、“節”(ジョイント部分)を直線で結んで考えれば、いくつかの変形する4節リンクを組み合わせた構造と捉えることができました。
その一部のパーツ(中間リンクや従動リンク)を好きな方向に好きなだけ延長して、手足のような動きを作り出します(*4)。
4節リンクのうち、対向する2辺が等長の平行リンクでは、平行四辺形を保ちつつ整った変形を見せますが、不等長になると、1辺(駆動リンク)を一定の速さで動かしていても、対向辺(従動リンク)では、角度によって異なる速さ(*5)で伝わったり、途中から逆回転したり、中間リンク(*6)と一直線に突っ張って動かなくなるか、回転方向が定まらずに「カクッ」と引っ掛かる状態(死点、特異点)になったりしました。
この死点または特異点は、どのリンクを駆動するかによって全く変わるので、駆動リンクと従動リンクの別に留意し、膠着状態を回避するよう設計することが重要なのでした。
ロボット教室で学習した、自動車や蒸気機関車のピストン式エンジン(*7)でも、車輪とピストンのどちらを駆動するかによって、引っ掛かりの有無が変わりましたね。
次月はいよいよ、製作本番です!
脚1組で苦闘した人は、失敗を教訓に、心して取り掛かりましょう!
*4 アドバンスコースで学習した、チェビシェフのリンク機構が基本原理です。
9・10月アドバンスコース『ロボウルフ』、2日目テキストp.19参照。
*5 ギアの増速・減速(てこの原理)と同様、力の大きさは反比例して伝わります。
つまり、
仕事[J = W・s] = 力の大きさ[N] × 動いた距離[m]
が変わらないように、または、
仕事率[W = J/s] = 力の大きさ[N] × 速度[m/s]
が変わらないように、エネルギーが伝わります。1日目テキストp.25~26参照。
*6 駆動リンクと従動リンクを繋ぐリンク。1日目テキストp.19~24参照。
*7 スライダークランク機構とも呼ばれます。2日目テキストp.21参照。
2. 今月の課題
次回授業日までに完了してください。
◎は必須、〇は推奨、△は任意です。〇△は能力に応じます。
<ベーシックコース>
〇専用方眼紙にロボットの4面図をスケッチ
〇テキスト最終ページにロボットの見取図をスケッチ
(難しければ、写真撮影したものか、テキスト表紙を模写してもよい)
〇上記授業内容を分かるまで音読する
(概ね3年生以上/低学年は補助 or クイズ出題形式で)
<ミドルコース>
◎ 専用方眼紙にロボットの4面図をスケッチ(1日目)
〇 テキスト最終ページにロボットの見取図をスケッチ
(難しければ、写真撮影したものか、テキスト表紙を模写してもよい)
◎ 上記授業内容を分かるまで音読する
<アドバンスコース>
◎ テキスト最終ページにロボットの見取図をスケッチ
(難しければ、写真撮影したものか、テキスト表紙を模写してもよい)
◎ 上記授業内容を分かるまで音読する
<プロフェッサーコース>
◎ 上記授業内容を分かるまで音読する(該当するテキストページを見ながら)
◎ 2本脚リンク先端の穴に鉛筆を挿し、軌跡を方眼紙(テキスト最終ページ)に記録する
3. 11月授業スケジュール
[東福間]※時間帯を変更しました。ご協力ありがとうございます。
・11/ 7 9:00~ 理科実験・中級 第1回
・11/ 7 10:30~ ロボ・ミドル 第1回
・11/ 7 13:30~ ロボ・ベーシック第1回
・11/ 7 15:30~ ロボ・アドバンス第1回
△11/14 9:00~ 理科実験・中級 第1回(予備)
・11/21 13:30~ ロボ・ベーシック第2回
※11/28 9:00~ 理科実験・中級 第2回
※11/28 10:30~ ロボ・ミドル 第2回
※11/28 13:30~ ロボ・アドバンス第2回
・11/15 9:45~ ロボ・プロ 第1回
・11/29 9:45~ ロボ・プロ 第2回
[小倉北]
・11/ 8 10:00~ ベーシック第1回 @和室
・11/ 8 13:00~ ミドル 第1回 @企画ルーム1
・11/22 10:00~ ベーシック第2回 @和室
・11/22 13:00~ ミドル 第2回 @和室
4. 12月~授業スケジュール(予告)
[東福間]下記をご提案します。不都合な方は、お早目にお知らせ下さい。
・12/ 5 9:00~ 理科実験・中級 第1回
・12/ 5 10:30~ ロボ・ミドル 第1回
・12/ 5 13:30~ ロボ・ベーシック第1回
・12/ 5 15:30~ ロボ・アドバンス第1回
・12/19 9:00~ 理科実験・中級 第2回
・12/19 10:30~ ロボ・ミドル 第2回
・12/19 13:30~ ロボ・ベーシック第2回
・12/19 15:30~ ロボ・アドバンス第2回
・12/13 9:45~ ロボ・プロ 第1回
・12/27 9:45~ ロボ・プロ 第2回
・ 1/ 9 理科・ロボ 第1回
・ 1/23 理科・ロボ 第2回
( 1/16 河東小 土曜日授業)
・ 1/17 9:45~ ロボ・プロ 第1回
・ 1/31 9:45~ ロボ・プロ 第2回
・ 2/14 9:45~ ロボ・プロ 第1回
・ 2/28 9:45~ ロボ・プロ 第2回
[小倉北]
・12/ 6 10:00~ ベーシック第1回 @和室
・12/ 6 13:00~ ミドル 第1回 @企画ルーム2
・12/20 10:00~ ベーシック第2回 @和室
・12/20 13:00~ ミドル 第2回 @企画ルーム2
・ 1/10 10:00~ ベーシック第2回 @和室
・ 1/10 13:00~ ミドル 第2回 @企画ルーム2
・ 1/24 10:00~ ベーシック第2回 @工芸室
・ 1/24 13:00~ ミドル 第2回 @茶室
・ 2/ 7 10:00~ ベーシック第2回 @和室
・ 2/ 7 13:00~ ミドル 第2回 @企画ルーム2
・ 2/21 10:00~ ベーシック第2回 @和室
・ 2/21 13:00~ ミドル 第2回 @企画ルーム2
(北九州マラソン開催日)
5. ひと言
過日のハロウィンを何か特段にお過ごしでしたか?近年はすっかり日本独自のイベントになってしまった感がありますね。
ご多分に洩れず我が家でも、子供のパーティの主催側に回っています。
コスプレ文化の日本人は、当然のようにハマりましたね。
渋谷では大変な騒ぎになってしまったようですが。
6. 本部からお知らせ
北九州イノベーションギャラリーHPに、イノベーションフォーラム2015『ロボット時代の創造』がアップされました。一般(教室を通して申し込まれた方以外)受付開始は、11/4 9:00~です。
http://www.kigs.jp/kigs/index.php カレンダーから12/12をクリック
東福間・小倉北教室 佐藤