2025年7月31日木曜日

2025年7月報

1.7月授業まとめ
2.7月の課題
3.6月の解答
4.8月の授業予告
5.今後の授業スケジュール
6.お知らせ


1. 7月授業まとめ


1.0 <スタートアップ(全コース)>


 割愛します。


1.1 <プレプライマリーコース『オハナッチ』>


 割愛します。

1.2 <プライマリーコース『ウッシーくん』>


 割愛します。

1.3 <ベーシックコース『ロボケラトプス』>


 新作の恐竜ロボットです。どこから見てもトリケラトプスですね。
限(かぎ)られたパーツで、デザインと動きの両方を再現してしまうあたり、そのセンスを見習いたいところです。

 本物のトリケラトプスと同じく、4足歩行をします。
歩行ロボットは足の動きが要(かなめ)であり、また難(むずか)しいところでもあります。

ロボケラトプスの足の動きはとてもシンプルなのですが、それが返(かえ)って、どうして歩けるのか説明するのが難しく、ロボット教室の歩行ロボットの中で一番かもしれません。

 人間や動物もそうですが、歩行ロボットも多くは、足を楕(だ)円形の軌跡(きせき)になるよう動かします(*1)。
これにより、足先を下(お)ろして地面を後ろへ蹴(け)り、また浮(う)かせて前へ戻(もど)すことができます。
つまり、行きと帰りで足の道筋(みちすじ)が異(こと)なるのが普通(ふつう)です。

ところが、ロボケラトプスではどうでしょう。

テキストp.19(右足)~p.20(左足)で、ロッド9アナ(前)・ロッド7アナ(後ろ)を取り付ける前(写真[5],[7])を見ての通り、前後の足とも、写真[5]の青い○を中心に、振(ふ)り子のように揺(ゆ)れる動きしかできません

行きと帰りで足の道筋は全(まった)く同じです。これでどうして歩けるのでしょうか?

 ロボットを観察(かんさつ)しても、先生にも難しいので、ロボケラトプスの足先の軌跡をシミュレーションしてみました。

これによると、4足とも振り子の動きには違(ちが)いありませんが、前後の足がそれぞれ左右で交互(こうご)に動くため、つま先(かかと)に左右で高低差が生まれているのが分かります。
最下点で比(くら)べると、特に後ろ足のつま先の高さが左右で大きく差をつけています。

このことにより、右後ろ足で蹴るときは左側へ傾(かたむ)き、左後ろ足で蹴るときは右側へ傾いて、その後ろ1足+前2足=3足で体を支えながらも(*2)、残りの後ろ1足は浮くことになります。

 ここで、前足は左右とも地面にほぼ着(つ)いていることになり、前へ戻る方の足が前進の邪魔(じゃま)をしそうですが、よいのでしょうか。

これは、体が傾き始めることで、傾く方の足に荷重(かじゅう)が掛(か)かり、すり足のような動作ができることで、あまり問題になりません。
つまり、傾いていく方の前足は重くなって地面を後方へ蹴ることができ、反対に前へ戻す方の前足は軽くなって滑(すべ)りやすくなっているのです。

 そうは言っても、地面をしっかり蹴ることができるのは後ろ足になっていますから、ロボットの後ろ側を重くして、後ろ足の摩擦(まさつ)力を上げた方がよさそうです。

確(たし)かに、1日目のロボットは頭の方が重いため、前足は邪魔をし、後ろ足は滑って、進み具合(ぐあい)がよくないですね(*3)。

 2日目でしっぽを付けて後ろも重くすると、しっかり歩けるようになりました。

さらに、体が傾いた方へ(少しおくれて)しっぽが振(ふ)れることで、次に蹴り出す(反対側の)後ろ足に荷重移動がよりしっかりとされるようになるので、フリル(えりまき)を付けて頭をさらに重くしても大丈夫(だいじょうぶ)なようです。

 単純(たんじゅん)なロボットのように見えて、実はとても練(ね)って作られていたと分かると面白くなりますね。

ただ、設計が巧妙(こうみょう)である分、テキスト通りのタイミングと動き方になるよう正しく作らないと、あまり進まなかったり、こけたりします。

ペグの取り付け位置が正しいことはもちろん、テキストp.11~p.12でシャフト(8ポチ)2本の十字の向きをぴったり合わせるのも大事です。

 なお、左右の重さのバランス(重心のずれ)などにより、真(ま)っすぐ歩かないことがありますが、
例えば、重心を左→右寄(よ)りに変えて、もっと右へ曲(ま)がらせるなら(*4)、
●背中(せなか)の右寄りに重りをのせて、重心を右へずらす
●しっぽの右側を重くして、しっぽの重心を右へずらす
●しっぽの根本にストッパーを付けて、右側にだけ振れるようにする
などが考えられます。

または、
●右後ろ足にグロメット(または輪ゴム)を付けて、右(後ろ)足を前へ運ぶときにブレーキをかける(*5)
方法もあるでしょう。

 モーター1個で、コンピュータも使わず、振り子のように単調(たんちょう)に動く足4本を最適(さいてき)にずらして運び、しっぽも荷重移動のタイミングに合わせて振りながら、しっかり歩(あゆ)む動物ロボットが作れてしまうことに驚(おどろ)きます。


*1 平行リンクチェビシェフのリンク機構(きこう)がベースによく使われます。

*2 3点支持(しじ)といい、カメラの三脚(さんきゃく)や3輪車のように、物体を3点以上で支えると倒(たお)れず立てます。

*3 後ろの片足を浮かせるのに、せり出した大きな頭で前が重いことも一役(ひとやく)かっているため、頭を軽くしすぎるのもよくありませんが、1日目のロボットは前後の重さのバランスが悪く、重心が前に寄(よ)りすぎなのです。

*4 必ずうまくいくとは限りませんが、重心を右に寄せることで右に曲がるようなら、重くした側の前足の荷重が増(ま)して、それが後ろ→前へ運ぶときに前進の邪魔をする(ブレーキをかける)ためと考えられます。

*5 ゴムが地面を軽く擦(こす)るくらいにし、歩行がおそくなりすぎないよう注意します。
 すり足をする前足にゴムを付けると、もっと前進の邪魔をするのでよくありません。


1.4 <ミドルコース『シュート君』>


 当時小学2年生のアイデアコンテスト出品作がベースのキックロボットです。(マジでスゴイ…)

 本作品は、モーター1個の正⇔逆回転で、下記をやってのけます。
A) 腕(うで): 振り   ⇔ 振り(戻し)
B) 膝(ひざ): 伸ばし  ⇔ 曲げ
C) 腿(もも): 蹴り   ⇔ 引っ込め
D) 胴体  : 右ひねり ⇔ 左ひねり(戻し)

この動作を語る上で、4月の『ロボキャッチ』や昨年9月の『ロボアーム』を外せません。
これらの動作は、自動車ロボットのモータータイヤのような固定の連動関係ではなく、バイクの加速(タイヤの回転)とウイリー(前輪の浮き上がり)のような、負荷の軽い順に可動域を使い果たす関係です。

要は、「回しやすい所から回せるだけ回しちゃおう」と、モーターの力が次々と逃げ道を探すのです。

ロボアーム』では、
E) ハンド: 掴み   ⇔ 放し
F) アーム: 持ち上げ ⇔ 降ろし
G) 本体 : 右旋回  ⇔ 左旋回

ロボキャッチ』では、
H) ハンド: 掴み   ⇔ 放し
I) アーム: 持ち上げ ⇔ 降ろし
J) 全体 : 右移動  ⇔ 左移動

動作順“逆再生”されなかったり、そもそも曖昧(あいまい)に同時発生したりしました。
負荷の大小関係が(重力を見方にするか敵にするかで)逆転したり、はっきり定まらなかったりする場合の現象です。

シュート君』では、A~Dの動作がいずれも一瞬で完了するので、これらの順序(つまり負荷の大小)にあまり気を配らず、むしろ同時動作した方がキッカーとして様になると考えて設計しているのでしょう。

 大事なことは、どの動作にも可動範囲(限界)を定めていることです。
そうでなければ、腕や胴体が360°回り続ける化け物になってしまいます(*1)。
いましたよね? 背中のペグを見落として、上半身だけ高速スピンする妖怪が…。

 2日目の最後に、ゴールに向けてボールを蹴って、シュートの正確さを競いました。

輪ゴムの復元力をうまく利用したレバー1本で、スライドスイッチを正逆に切り替えながらも、(可動限界があるので)入れっ放しにならないようタッチセンサーも同時に入・切するコントローラーの設計も秀逸(しゅういつ)ですね。

ただ、決まった順序・時間でスイッチを切り替えることこそプログラミングの出番ですから、マイコンで代行すればレバーもタッチセンサーも要らず、楽に作れます。

なお、このコントローラーには、シュート君がキック時に倒れないよう片足をしっかり固定する役目もありますから、いずれの方式でも電池ボックスを内蔵するなど、なるべく重くしておきましょう。


*1 本当は、Aの腕自体に回転限界はなく、B・C・Dの制限から決まります。
 Aは、モーター(胴体)に対するモーターシャフト(背骨)の回転量だけで決まり、モーターシャフトの回転を合同で消費するB・C・Dとは異なります。
 地面に対して、胴体Dと一体のモーター自身が回転するため、理解を難しくしています。


1.5 <アドバンスコース『ロボビート②』割愛>


 このドラマーロボットも面白いのですが、テクニカルコンテスト向けマシン優先の為、割愛します。



 有志の生徒さんで、先月はテクニカルコンテスト(予選)用のマシンを試作しました。
今月は自律してセンターラインまで移動しボールを突けるようマシンを仕上げます。

スタートラインを超えてボールの位置まで移動させるのに、皆さんタイヤで自走する方式を採りました。
要(かなめ)のボールを突く機構は、各自で趣向を凝らし開発に取り組んでくれました。
様々な方式が登場したので紹介します。


・モーター直ドライブのシンプルなハンマー方式

 シンプルな構造は製作期間の短縮に寄与しました。
 ボールに与えられるエネルギーが少なく、あまり飛ばないという欠点が残ります。

・振り子のハンマーを振り下ろす方式

 比較的シンプルな機構に加え、そこそこの勢いでボールを飛ばせます。動作も安定していました。
 ボールの転がっていく先が定まらず、命中率に課題が残ります。

・バンパーによってボールを跳ね飛ばす方式

 バンパーを左右に振れる構造をしており、ボールの進行方向の微調整が可能です。
 命中させるための制御がうまくいかず、機械の真価を発揮するには課題があります。

・バンパーによってボールを跳ね飛ばす方式‐その2

 前進用にモーターを2個とも使い、急加速を行います。
 左右モーターの回転差から進路がずれ、バンパーがボール正面に当たりにくい欠点が残りました。

・タイヤLを取り付けたアームをゴムの復元力で射出する方式

 シンプルな方式かつ、射出する勢いも大きく、ボールの飛距離は先ず先ずです。
 強大なゴムの復元力にロック機構が耐えられず、改善が望まれます。

・ゴムの復元力でブロックの塊をボールにぶつける方式

 マシン内部に長いレールがあり、ブロックの塊を真っすぐ発射できます。ボールのコントロール性が良く、高得点を狙えそうです。
 マシンが大きく重くなりがちで、移動に難がありました。重量と剛性の最適化が必要そうです。


 開発期間として約2ヶ月費やしました。
従来より難しめのレギュレーションゆえか、誰もミッション成功ならず・・・ちょっと寂しい結果に終わりましたが、マシンの完成度は低くなく、もう一歩といった所です。

マシン方式の決定、試作、修正、プログラミング、調整と、やることは見た目以上に多いですから、皆さんちょっと見積もりに失敗した印象です。

その点は反省してもらうとして、自由な発想とそれを形にした頑張りには拍手を送ります。


1.6 <プロ1年目コース『不思議アイテムI-1①』>


 3ヶ月間のオムニホールロボットを終え、新しいテーマに入りました。
1ヶ月目は、マイコンの出力先として、モーターではなく、光と音を出してみます。

 1日目は“”です。8x8の赤色LEDマトリクスを制御して、ドット絵やアニメーションを試しました。
自らの手でCG(コンピュータグラフィクス)に触れた瞬間ではなかったでしょうか。

 点灯・消灯させるドットを選択するために、中学数学のXY座標系の概念を用い、座標を変えながら繰り返し点灯・消灯する(のを楽にする)ために、for命令文を使いました。
for(i=0; i<=2; i++) {○○}”と書けば、変数iの値が 0, 1, 2 と変わりながら○○を3回実行し、“for (i=10; i>0; i=i-5) {○○}”なら、i = 10, 5 の順に2回しか○○を実行しませんよ。大丈夫でしょうか。
ナイトライダー(*1)風にも簡単に表示できましたね。

 横1ライン分の8つの点を8桁の2進数(01001001など)で表し、これを縦8つ分渡すことで画面表示してくれる関数(*2)を使って、パラパラアニメも制作できました。
2進数01001001に代わり、10進数73としても、16進数49で与えても同じ絵になります。
2進数しか扱えないマイコンへ転送する前(*3)に、01001001に変換されるからです。

 つまるところ、10進数(0~9)は人間に好都合な表記法でしかなく、8本足の火星人なら8進数(0~7)を使うかもしれないのです。
16進数(0~F)というのは、2進数4桁分をちょうど1桁で書けるので、慣れた人には楽なのです。
8進数も、1桁で2進数3桁分なので、コンピュータの分野ではよく使われます。

 2日目は“”も出します。
圧電スピーカー(*4)をつないで、人間の指示に反応できるようタッチセンサーも2個つなぎます。

 タッチセンサーの押下状態を判断してLED表示や音を変えるために、if文を使いました。
一方を押すとカウントアップ、他方を押すとカウントダウン、カウント10になるとメロディ演奏など、「○○なら△△する」という条件付き実行には、“if (○○) {△△}”と書きます。

カウント変数iの値が10, 20, 30, …の時に真になる条件文の書き方は3通りあります。
<初級> if(i==10){動作;} if(i==20){動作;} if(i==30){動作;} …
<中級> if(i==10 || i==20 || i==30 || …){動作;}
<上級> if(i%10 == 0){動作;}

タッチセンサーが押される毎にドット絵の表示位置を変え、合わせて音を出せば、これはもう、ゲーム中のキャラクタ移動ですね。

 さて、本Arduino環境では、単音ながら、RTTTLフォーマット(*5)による楽譜データを与えて任意のメロディを演奏できます。
次月1日目のテキストに詳細が解説されていますが、RTTTLデータは、"曲名デフォルト設定音符列" の3部で構成されます。
スーパーマリオがコインをゲットする音は、"coin:d=4,o=4,b=200:16b6,8e7" というようなデータで与えられます。

デフォルト設定 "d=4,o=4,b=200" では、4分音符、オクターブ4、テンポ200が指定され、音符列において特に指定しない限り、この設定が適用されます。

音符列 "16b6,8e7" は、16分音符オクターブ6のシ、8分音符オクターブ7のミ、の順に鳴らします。
即ち、デフォルト設定 "d=4,o=4" は全く効いていません。

ここで、音符列を "c,d,e,f,g,a,b,c5" とだけ記述すると、4分音符で、オクターブ4から“ドレミファソラシド”と演奏されます。
ソ#(ラ♭)は "g#"、休符は "p" で表します。
付点音符(1.5倍の長さ)は、"c." のように、後に"."を付けます。

 2ヶ月目は、音階と周波数の関係や、一次関数のグラフ描画によるCGの基礎を学び、ゲームパッドで光と音を自在に操るなど、ゲームプログラムの要素を掘り下げます。


*1 人工知能を搭載した喋るスポーツカーが犯罪捜査員マイケルと共に様々な事件を解決するアメリカの1980年代のアクションドラマ。知らない人はYouTubeで。

*2 決まった手順の命令群を1つにまとめて名前を付けたもの。その名前を1回呼ぶだけで複数の命令をまとめて実行してくれるので、プログラムが簡単になる。手続き、サブルーチンとも呼ばれる。

*3 転送してあげる方のPC内部でどう処理されるかは少し難しいので割愛しますが、2進数しか扱えない点は変わりません。

*4 普通のスピーカーがアナログ信号(音声・音楽)を再生するするのに対し、圧電スピーカーは、デジタル信号を省電力で音に変換する作用に長けています。
 いわゆる「ピッ」「ピー」「ピロピロ…」というようなアラーム音ですが、昔のゲーム機のような素朴な演奏もできますよ!

*5 Ring Tone Text Transfer Language(着信音文字列転送言語)の略で、ノキア社が携帯電話の着信メロディ楽譜を記述するために開発した書式。
https://en.wikipedia.org/wiki/Ring_Tone_Transfer_Language


1.7 <プロ2年目コース『アームロボット①』>


 2年目の生徒さんお待ちかね、アームロボットの登場です。
人間の腕のように、複数の関節を曲げて、手先の位置と開閉を自在に操ります(*1)。
自動車の組み立てラインなどで活躍していますね。

 関節の動き(回転)を司るのは、やはりモーターです。
それも、所望の角度分だけサッと回転してピタッと止まれる、サーボモーターの出番です(*2)。
サーボモーターは、民生品では、CD/DVDのトラッキング(*3)や、ラジコン飛行機のエンジンスロットル・フラップの開閉などに使われています。

 サーボモーターには、電源線2本と、目標の位置(回転角)を伝える制御信号線の、計3本が伸びています。
小型ロボット・ホビー用として一般的なサーボモーターの信号線には、回転角に応じたパルス幅 1~2ミリ秒で、50~100HzのPWM矩形波(くけいは)(*4)を与えます。

このサーボモーターは、指示された位置まで全力で回転し、行き過ぎると全力で戻ろうとし、または、
これを小刻みに繰り返して振動(ハンチング)することもあり、瞬発的な電力を消費しますので、別途ACアダプターで電源を供給しました。
高負荷(手で止めたり)や連続で動作させた場合の発熱にも注意が必要です。



 また、原点位置から±90°と可動域が決まっていますので、初期位置に注意して、組み付けていきます。
2回とも時間の大半を製作に当て、アーム部の開閉に2個、ベース部の旋回に1個のサーボモーターと、ハンド部の開閉にマイクロサーボモーター1個の、計4個のサーボモーターを備える本格派の完成です。

無線コントローラー(ゲームパッド)で各関節を操作するプログラムが、ハサミ(グラップル)付きパワーショベルのように、アーム・ハンドの開閉を簡単にさせてくれます。

 次回は、このアームロボットの制御方法について、解明していきます。


*1 手首の関節が無いので、手先の向き(ネジ回し等に必要)は変えられません。

*2 普通のモーターと、回転部に備え付けたエンコーダ(符号化装置)で回転数や角度を検出して、マイコン(プログラム)で制御する方法もありますが、
制御のスピードや精度が要求される用途では、通例、これら(モーター+エンコーダ+制御回路)をパッケージングしたサーボモーターを使います。

*3 CD/DVDのデータ記録ピット(微細な凹凸)は、うずまき状(ブレあり)に並んでおり、再生中レーザースポットを内周から外周へ移動・追従させ続けるトラッキングサーボが必要です。
 加えて、盤面の歪みに応じて上下動し、レーザー焦点を合わせ続けるフォーカシングサーボも必要です。

*4 一周期ごとに、ONとOFFの時間の比(デューティー比)を変えることでアナログ量を表す、デジタルパルス波形のこと。


1.8 <プロ3年目コース『六脚ロボット①』>


 夏タームに入りました。6本脚の昆虫型ロボットです。

 サーボモーター(MG995)を4個使い、(前後)左脚、(前後)右脚、(左右)中脚ツノの各関節を動かします。
それは即座に、ロボット全体として動きの自由度が4あることを意味します。

単なる関節の多いロボットは、モーター1個+リンク機構(ギア・ロッド・ペグ等)でも作れます。

しかし、モーターが正確な位置決めの可能なサーボ型であり、4個であり、触覚センサー(入力)を2個搭載して動作条件を判断できるマイコン制御であることから、動きに非常に多くのコンビネーション(組合せ)を持たせることができる筈です。

翌月以降のテキストで紹介されるであろう歩行制御プログラムの他にも、
何か面白い(人を笑わせる)モーションを付けることができるかもしれない
という視点で一人想像笑いするような人(不気味?)になって欲しいと思います(*1)。

 一方で、エンジニアの卵としては、4個のサーボモーターを同時に速く(一度に大変位で)回すと、電源容量の不足(電池の出力電圧の低下)から誤動作を引き起こしかねないと心配して、なるべく滑らかに動かす制御を好む姿勢を身に付けます。

決して、全身を激しく揺さぶる『ふ○っしー』のような動きを期待しないことです(*2)。

 今月は2回とも製作編でしたので、詳細を割愛します。


*1 それはクリエイターの最も重要かもしれない視点です。
 成果物を人から見て/使って喜んでもらえると、何より元気が出ます。
 足りない能力を勉強して補う勇気も出ます。

*2 このような“役立たず”だけど鋭い動きの生物型ロボットが人々を楽しませる平和な日は訪れるのでしょうか。
 それには、技術のみならず、安全性・倫理など、解決すべき問題が多くあります。
 技術面では、頭脳(AI)だけではなく、生物のように軽量・省エネで機敏に動かすのも、次世代のロボット開発に必要な視点です。
 それは、必ずしもサーボモーターである必要はなく、人工筋肉と呼ばれるアクチュエーターかもしれません。


2. 7月の課題


 <スタートアップ(全コース)>
  特にありません

 <プレプライマリーコース> (プライマリーではありません)
  - オリジナル図形プリント
  https://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotPP2507-Q.pdf

 <プライマリーコース> (難しければプレプライマリー↑でもOK)
  - オリジナル図形プリント
  https://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotP2507-Q.pdf

 <ベーシックコース>
  - 授業まとめを精読する(概ね3年生以上/低学年は補助の下で)
  - オリジナル課題プリント(3面図+設問)
  https://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotB2507-Q.pdf

 <ミドルコース>
  - 授業まとめを精読する
  - オリジナル課題プリント(3面図+設問)
  https://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotM2507-Q.pdf

 <アドバンスコース>
 ⇒テクニカルコンテスト向けマシン優先の為、割愛しました

 <プロ1年目コース>
  - 授業まとめを精読する(該当テキストページを見ながら)
  - [MatrixSprite3/4]をベースに、5コマ以上の絵でアニメを作成し、家族と教室に披露する
  - [MatrixSpriteMove2]をベースに、4x4~6x6ドットのキャラクタを画面からはみ出ないよう左右(または上下に)移動制御

  《ハイレベル挑戦》限界以上に移動させようとするとエラー音(メロディ)

 <プロ2年目コース>
  - 授業まとめを精読する(該当テキストページを見ながら)
  - アームロボットを完成させる

 <プロ3年目コース>
  - 授業まとめを精読する(該当テキストページを見ながら)


3. 6月の解答


 <プレプライマリーコース>
  https://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotPP2506-A.pdf
 <プライマリーコース>
  https://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotP2506-A.pdf
 <ベーシックコース>
  https://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotB2506-A.pdf
 <ミドルコース>
  https://robocobo.sakura.ne.jp/blog/HW/RobotM2506-A.pdf
 <アドバンスコース>
 ⇒テクニカルコンテスト向けマシン優先の為、割愛しました


4. 8月の授業予告

 https://robocobo.sakura.ne.jp/blog/hap/robo-2508.pdf

 <プレプライマリーコース>『メカビートル』
 <プライマリーコース>『ロボフィッシュ』
 <ベーシックコース>『クルリン』
 <ミドルコース>  『サカアガリン』
 <アドバンスコース>『バグモジョラ①』
 <プロ1年目コース>『不思議アイテムI-1②』
 <プロ2年目コース>『アームロボット②』
 <プロ3年目コース>『六脚ロボット②』


5. 今後の授業スケジュール


――――――――――<佐藤教室長>――――――――――

[東福間]第1・3土原則<学習ルームでこぼこ>
   - 13:30~ ベーシック/ミドル
   - 15:30~ アドバンス

 ⇒ 8/2, 16,  9/6, 20,  10/4, 18


[東福間プロ]第2・4日原則<学習ルームでこぼこ>
   - 10:00~ プロ1年目
   - 13:00~ プロ2年目
   - 16:00~ プロ3年目

 ⇒ 8/10, 24,  9/14, 28,  10/12, 26


[サンリブ古賀]第2・4土原則<文化サークル>
   - 10:30~ ベーシック/ミドル/アドバンス

 ⇒ 8/9, 23,  9/13, 27,  10/11, 25


[小倉北]第1・3日原則<ムーブ>
   - 10:30~ ベーシック/プライマリ
   - 13:00~ ミドル
   - 15:00~ アドバンス

   - 15:00~ プロ3年目

 ⇒8/ 3 第1回 5F企画ルーム1
  8/17 第2回 5F企画ルーム1
  9/7, 21,  10/5, 19


――――――――――<中野教室長>――――――――――

[八幡東]第1・3土原則<レインボープラザ4F>
   - 13:30~ ベーシック/プライマリ
   - 15:30~ ミドル
   - 17:30~ アドバンス

 ⇒ 8/2, 16,  9/6, 20,  10/4, 18


[小倉南]第2・4日原則<総合農事センター2F>
   - 10:30~ ベーシック/プライマリ
   - 13:00~ ミドル
   - 15:00~ アドバンス

 ⇒ 8/10, 24,  9/14, 28,  10/12, 26


【振替教室ご利用条件(ロボプロを除く)】――――――――
 振替先の1週間前までにメール下さい(許可制)
 振替手数料550円/回をご負担下さい(お引落し)
 (東福間⇔小倉北のみ無料)
 所定コース内容・時間のみお受けします


6. お知らせ


1) 創フェス(クリエイティブフェス) 観戦報告(中野 記)

 全国大会に先立ち、従来の「スペシャル地区イベント」に代わり、今年は九州工業大学 戸畑キャンパス内 GYMLABOにて 創フェス(クリエイティブフェス)が開催されました。

従来の地区イベントから雰囲気を刷新して、コンセプトはロボットのお祭りです。

来場者プレゼントに始まり射的ゲームやガチャ、プログラミング体験やロボプロ体験など楽しそうなブースが沢山です。
ロボットを使った参加型のレース大会もあり盛り上がってました。

ロボット教室アドバイザーの高橋先生の講演もあり興味深い話が聞けましたね。


 会場の目玉は、オリジナルロボットのパネル発表です。
八幡東、小倉北、小倉南教室から4人が自慢のオリジナルロボットを披露してくれました。


・小倉南教室 真野くん(ベーシック)  自動車安全アセスメント試験車

 自動車の衝突安全性をテストする為の試験を模したロボットです。
 ロボットだけでなく、試験の内容を資料に解りやすくまとめてくれました。

・八幡東 宮尾くん(ミドル)  改・旋風丸

 テーマロボットの旋風丸を極限まで豪華に改造、お客さんを集めるため、呼び込み人形まで作ってくれました。

・八幡東 松井くん(ミドル)  ピタゴン

 ピタゴラ装置を思わせるロボットです。
 ボールをウォーキングビームと呼ばれるコンベアを使って搬送したのち、レールコースターに乗せて滑走させます。

・小倉北教室 桑村くん(ロボプロ)  平行リンクペンプロッタ

 パソコンで処理した画像データを受け取り、ロボプロコースで使うマイコン(Arduino)でサーボモーターを制御し、ロボットアームにお絵描きをさせる大作です。
 アームは3Dプリンターを使って作ったそうです。象の像の像が描かれます。



 当日は200名を超える来場者があり、大盛況でした。ひっきりなしに訪れるお客さんへの説明対応に皆さん大忙しでしたが、皆さんどこか晴れやかな顔をしていましたね!

また他教室の驚くようなロボットも見れて大変興味深い一日でした。

従来の登壇形式の発表も緊張感があり悪くはなかったですが、今回のイベントのほうが終始和やかな雰囲気だったので、参加しやすく良いですね。

 フェスの終わりに高橋先生からレース大会の結果発表とオリジナルロボットについての講評がありました。

レース大会の結果は・・・第1位 2.53秒で小倉南教室の高崎 和平くんでした!
おめでとうございます!!
高速化の影響でコースアウトしやすいロボットでしたが、重心調整とスタート位置の練習で克服してくれました。

 オリジナルロボはどれも素晴らしい出来でしたが、特に優れていた2作品が審査員賞として表彰されます。
そのうちの一つは、八幡東教室の松井 友希くんの作品でした。おめでとうございます!!
限られたパーツの中で目的の動きをこなすのは中々骨の折れる作業でしたが、苦労が認められましたね!
自動でボールを運ぶ様子は人の目を引いたので、会場の盛り上げに一役買っていたように思います。


 イベントに参加された皆様、お疲れ様でした。あまり気負いせずに普段とは違う環境で実力を発揮できる絶好の機会だったように思います。
とくにオリジナルロボットの発表は、製作や準備、当日の発表と大忙しだったと思います。
発表はやっぱりみんな緊張してましたね。でも、初めはぎこちなかった発表も繰り返すうちにだんだんと磨きがかかり、イベント後半では皆さんベテラン技術者のような風格が漂ってましたヨ!

来年はもっと多くの皆様のご参加をお待ちしております!
特にオリジナルロボットの発表は日頃の成果をアピールする良いチャンスですよ!!


2) 8月景品交換会
 3ヶ月毎の宿題ポイント交換会を下記授業日に開催します。
 ポイントカードを忘れずに、早めに来て下さい。

 [東福間]8/16
 [八幡東]8/16
 [小倉北]8/17
 [古 賀]8/23
 [小倉南]8/24


3) 6月課題 高得点者  []内は教室と学年

 ◆プレプライマリ
   5点…土屋[小倉北1], 高崎[小倉南1]

 ◆プライマリ
   5点…なし

 ◆ベーシック【12名平均 図面2.8+設問1.9=4.7】
  10点…なし
   9点…なし
   8点…なし
   7点…福田[八幡東4], 菅原[小倉南5]
   6点…北川[東福間3], 菅原[小倉南2]

 ◆ミドル【13名平均 図面3.6+設問2.1=5.7】
  10点…古川[小倉北6]
   9点…なし
   8点…井上[小倉南5]
   7点…井上[東福間5]


東福間・小倉北・サンリブ古賀教室 佐藤 / 八幡東・小倉南教室 中野